米ドル/円 日足

週間予想レンジ:108.00~109.50

メインストラテジー:押し目買い

・米中首脳会談やトランプ大統領の板門店訪問でリスクオン
・「オーバーシュート」を修正すべく、108円大台乗せもあって、リバウンド継続
・米長期金利の落ち着きや反転はこれから、米ドル/円もつれ高の公算

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先週は安値トライしてから反転し、週足では陽線引けをもって底打ちを示唆した。一時107円関門割れを果たしたものの、その後切り返し、108円関門のブレイクをもってリスクオフの流れの終焉を暗示している。

4月高値を起点とした下落波は最終段階にあり、年初急落時と同様、かなり「オーバーシュート」の状況だったため、一時107円関門割れまでの安値打診自体を「クライマックス」的な値動きと見なし、その後の持ち直しも証左材料であった。ゆえに、6月25日の日足は底打ちの可能性を示唆した「スパイクロー」として役割を果たし、これから109円関門の回復まで効くだろう 。

この場合、年初安値を起点とした全上昇幅に対する押し位置、0.618FIBOの水準より「深押し」を果たしたが、これを一時的なオーバーと位置づけ、これから回復を図ると思われる。また、4月高値から引かれる抵抗ラインのブレイクを最初のサインと見なし、また同ブレイクをもってリバウンドの継続を有力視する。

もっとも、材料面ではリスクオンの流れが一段と強まれるはずだ。日米首脳会談は最大のテーマ、またトランプ氏の板門店訪問もあって、目先の「サプライズ」は総じて緊張緩和に動く。

今まで米ドル/円は米長期金利急落のみに反応、またつれ安になってきたが、先週の底打ちがあって、これから従来のパターン、即ち日米金利差よりも米国株のパフォーマンスに復帰しやすく、リバウンドの継続が想定される。

とはいえ、この前の「オーバーシュート」が深刻だっただけに、戻りの抵抗として108円後半から109円前半までの抵抗ゾーンを無視できない。ブレイクの有無は肝心であり、基調改善の前提条件と見なせる。市場センチメントの改善もこれからだと思う。

ドルインデックスも先週は保ち合い、外貨高を通じて、目先主要クロス円における円高圧力を緩和した。これからの続落も想定されるが、総じて保ち合いが継続される傾向に。従って、これから同傾向が一段と強まってくれば、引き続き米ドル/円の支えになる見通しだ。メインシナリオとして、引き続き押し目買いのスタンスを維持、ロング筋にとって中長期スパンにおける絶好なチャンスだと思う。

豪ドル/円 日足

週間予想レンジ:75.50~77.50

メインストラテジー:押し目買い

・米中緩和ムードで豪ドルは買われやすい
・豪ドル/円の底打ちパターンは鮮明、戻りも継続へ
・この前のオーバーシュートの状況は深刻、修正するプロセスが続く

【図表2】豪ドル/円 日足
出所:筆者作成

アナリシス:

先週は大幅反騰、先々週の底打ちを証左した。もっとも、我々は先々週の再度安値更新を下落の「クライマックス」と見なしただけに先週の大幅反騰を当然視するが、6月第2週からの3週間の足型の組み合わせが「明けの明星」のパターンを示したことはテクニカルの好材料と見なせる。

既述のように、日足では6月18日安値更新した後に切り返し、強気「リバーサル」や「スパイクロー」のサインを点灯、その後の保ち合いをもたらしたと見なした。同サインが効いたため、先週の大幅高に繋がったが、リバウンドが継続されまたこれから更なる戻りの余地を拓くだろう。

もっとも、この前のオーバーシュートが深刻だった。既述のように、75円関門割れ自体が年初来急落時と同様に「オーバーシュート」であった上、ショート筋にとって目標達成が強かったはずだ。75円台大台前後のターゲットは計算通りだったので、従来のロジックを証左したと言えるから、逆説的には一旦下げ止まりになりやすい水準であった。

先々週は再度安値更新で「クライマックス」を暗示し、一旦74円関門割れがあっても下値限定的だったことは、この見方の証左となったわけだ。この意味では、先週の大幅反騰は同オーバーシュートに対する反動として当然視され、またこれからも継続されやすいと見なせる。

76円台半ばは目先の抵抗ゾーン、ブレイクの有無によって次のステップを測れるが、相場ブレイクの公算が大きい。メイン抵抗ゾーンは77円台半ばに集中し、一気にブレイクは無理があっても、一旦トライがあれば基調を引き続き改善していく見通しだ。底打ちがはっきりしている以上、戻りの程度の差があるものの、リバウンドの継続を有力視する。

米中緩和ムードで、目先の豪ドルに効きやすい。米中対立は長期テーマであり、これで終焉するとは誰も思わないが、オーバーシュートに対する反動自体がしばらく継続されやすい状況だ。また、この前の状況が深刻だっただけに反騰の値幅も拡大される公算が大きい。