米連邦準備制度理事会(FRB)が7月の利下げに期待を示したことから、株価は先週、最高値を更新した。
6月14日(金)から21日(金)の間にS&P 500は2.2%上昇した。S&P500は5月末の過去最高を5ポイント上回り、4分の3を超える銘柄の株価が上昇した。ダウ工業株30種平均やナスダック100のような他の主要なベンチマークはまだ最高値を超えていない。
予想通り、FRBは将来のレート上昇について「辛抱強く」という文言を撤廃した。その代わり、政策立案者は「不確実性」を懸念し、「拡大を持続させるために適切な行動をとる」ことを約束した。これはどういう意味か？7月31日に利下げの実施が期待されるということだろう。
これが新興市場や金鉱会社のような「ドル安」銘柄に投資を促した。 新興市場や金鉱会社は、今年のほとんどの期間、株価が低迷していた。バイオテクノロジーもまた、ファイザー(PFE)ががん治療薬のアレイ・バイオファーマ(ARRY)を62%のプレミアムで買収した後、長期的な低水準から上昇した。
マイクロソフト(MSFT)、オラクル(ORCL)、アドビ・システムズ(ADBE)などが牽引し、ソフトウエア各社の業績は引き続き好調だった。エネルギーは、2019年で一番パフォーマンスが悪いセクターだったが、イランとの緊張が原油価格を押し上げたことから、先週は最もパフォーマンスが良かった。
G20 VS 経済指標
大部分の経済ニュースは、FOMCを除いて、比較的重要ではなかった。ニューヨーク連銀製造業景気指数、フィラデルフィア連銀景況指数 は予想を下回ったが、新規失業保険申請件数は予想を上回った。住宅データが混在していた。
トランプ大統領が何十年にもわたる貿易政策を立て直そうとする中で、大きな話題は地政学的なものになっているので、これは驚くべきことではない。世論調査では、一般大衆や企業の指導者が、自分の行動が自信を傷つけることを恐れていることを示しているが、それはまだ数字をはっきりと打ち明けていない。とにかく、金利を抑えることで経済に恩恵をもたらす可能性がある。
また、来週のG20会議にも懸念を呼ぶことになる。トランプと中国の習近平国家主席は合意に達するだろうか。答えは誰にもわからない。しかし、いずれにせよ、中国株、半導体、アップル(AAPL)は活況を呈する可能性が高い。また、大豆、ディア(DE)、キャタピラー(CAT)、ボーイング(BA)などの農産物も、結果次第で変動する可能性がある。
ビットコインと金
もう1つの興味深い話は、金とビットコインのブレイクアウトである。いずれも1年以上ぶりに最高値を更新した。金はFRBとドル安の恩恵を受けた。ビットコインは、バイナンス取引所での独自通貨やフェイスブック(FB)の仮想通貨サービスである「リブラ」の恩恵を受けた。
ニューズ・コーポレーション(NWSA)は先週、S&P 500種指数で最大の上昇を記録し、クーポン事業を売却すると発表して14%も上昇した。ニューズ・コーポレーションは最近、フォックス（FOXA）から分離し、ダウ・ジョーンズやハーパーコリンズ・パブリッシャーズなどの出版事業を手掛けている。
上昇率が2位はインサイト(INCY)とベーカー・ヒューズ(BHGE)だった。バイオ医薬品業界の反発や、薬物試験のデータが陽性だったことから、インサイトは上昇した。ベーカー・ヒューズは他のエネルギー株と同様に、長期的な安値から反発した。
一方、カーニバル(CCL)の下落幅は最も大きかった。クルーズ船の運航会社は、価格の低迷、欧州の需要低迷、キューバ観光の抑制が再燃したことなどから、12%下落した。
小売食品店のクローガー(KR)は、決算発表後に8%の下落を示した。デジタル分野での成長ストーリーによる再建にチャレンジしているが、投資家は依然として、それを多額の負債を抱える昔ながらの食料雑貨店だと考えている。
また先週は、スラック・テクノロジーズ(WORK)が新規株式公開(IPO)ではなく、直接上場を果たした。スラックは木曜日の取引開始時に参照価格より9%以上高かったが、翌日の取引では3.6%安となった。
今週のアジェンダ
今週で4-6月期が終わる。中国の貿易をめぐる地政学的なニュースが、金曜日と土曜日のG20サミットへの最大のカタリストとなる可能性はあるが、それはいくつかの注目に値する経済報告をもたらす。
本日（6/25）は、コンファレンスボード消費者信頼感指数と新築住宅販売件数がある。レナー（LEN）、マイクロン・テクノロジー（MU)、フェデックス（FDX)もそれぞれ決算を発表する。
耐久財受注と原油在庫は、水曜日の大きなトピックであり、その後、夕方に第1回民主党大統領候補による討論が行われる。
新規失業保険申請件数と第1四半期の実質GDP（前期比年率）（確報）の発表は木曜日に行われる。ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス (WBA) とナイキ (NKE) も決算を発表する。
金曜日は、日本におけるG20サミットの始まりである。時差を考慮すると、米国では通常のセッションでニュースが公開されることもある。また金曜日には個人所得とミシガン大学消費者信頼感指数（確報）も発表される。
翌週には月次の主要な雇用データが発表されるが、独立記念日による休日のため、穏やかになる可能性がある。
（原文）
New Highs for Stocks as Fed Keeps the Money Flowing
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