【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26004.83  ▼43.68 (6/12)
NASDAQ: 7792.72  ▼29.85 (6/12)

1.概況

米国市場は金融株や石油関連株、さらに半導体関連株などの下げが重石となり小幅続落となりました。ダウ平均は8ドル安でスタートすると朝方に33ドル高まで買われる場面もありましたが、上値が伸び悩むなか徐々に売りが優勢になると昼前には90ドル安近くまで売られました。その後やや持ち直したダウ平均ですが軟調な展開を続けると結局43ドル安の26,004ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も29ポイント安の7,792ポイントとなっています。

2.経済指標等

5月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.8%上昇に止まり市場予想を下回りました。また、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIも2.0%上昇に止まり市場予想を下回っています。5月の米財政収支は2080億ドルの赤字となりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業やヘルスケア、素材などの6業種が上げ、公益事業は1%を超える上昇となりました。一方で5業種が下げ、エネルギーが1%を上回る下落となったほか、金融も1%近く下げています。

4.個別銘柄動向

長期金利の低下を受けて金融株が軟調でした。ゴールドマン・サックス(GS)やモルガン・スタンレー(MS)が2%以上下げたほか、JPモルガン・チェース(JPM)やシティグループ(C)も1%を超える下げとなりました。また、原油価格の下落を受けてエクソンモービル(XOM)とシェブロン(CVX)も1%前後の下げとなっています。さらに半導体メモリーの需給改善が遅れるとの指摘を受けて半導体関連株にも下げるものが目立ちました。半導体製造装置のラムリサーチ(LRCX)やメモリー大手のマイクロン・テクノロジー(MU)、ウエスタンデジタル(WDC)が5%以上下げています。

一方で玩具のマテル(MAT)が同業のMGAエンターテインメントによる買収観測を受けて5%以上上げています。代替肉のビヨンド・ミート(BYND)も急伸し12%を上回る上昇となりました。カナダのコーヒーチェーンがビヨンド・ミートの代替肉を使ったサンドイッチを販売すると発表したことが好感されました。

5.為替・金利等

長期金利はCPIが市場予想を下回ったことで0.02%低い2.12%となりました。ドル円は108円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(昨日時点で21,053円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)