前回のコラムでは、米ドル/円は6月3日安値までの下げ方が非常に悪いとし、107円台に集中する計算値を割り込んではいないものの楽観視はいけないと述べました。

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

107円台計算値は前回提示した図のように、107.584円(12月25日安値を中心としたモミアイ下限計算値)、5月13日V値107.365円、5月21日N値107.291円、5月29日E値107.623円が出ています。

6月3日安値107.881円からの変動は4日、5日と安値を更新しつつも大きく崩れることなく、6月5日安値107.815円もまた上記計算値を割り込まずに済んでいます。反発は乏しく、現時点では月足転換線下限水準108.351円達成後のモミアイを演じている相場とみて良いでしょう。

図表2の4時間足をご覧ください。

相場実線と遅行スパンは108.392円で初めて交わり、直近の基準線、転換線も108円台で推移していることがわかるでしょう(1時間足、その他もお調べください)。

【図表2】米ドル/円(4時間足)
出所:筆者作成

モミアイ放れの分岐点として重視するのは以下3点です。

1.三波動構成変化日
2.下落時間(上昇時間)に対するモミアイ時間
3.均衡表の受動的、能動的変化

5月22日高値から78本、5月30日から42本はすでに経過し、三波動構成上は5月22日2日高値から114本目の6月14日を残すのみとなっています。

下落時間に対するモミアイ時間は、直近では25本目6月11日の18時付近が大事となります。

安値から25本目、高値から8本目ですから以降基準線はわずかに上げ、転換線は下げ始めることがあらかじめわかっています。

4時間足から見た目先の変化の大事なポイントとなりますが、108.351円を中心と置けば108.351×2-107.815=108.887円がモミアイ上限となります。

動かぬ先行スパン上限は108.483円ですから、先行スパン上限を上抜いたとしても必ずしも上放れとは言えません。

4時間足では6月11日、13日、14日、15日のあるポイントが大事であることがわかります。

【図表3】米ドル/円(4時間足)
出所:筆者作成

では、日足ではではどうでしょうか。

前回まで次の変化日を提示していました。

6月11日 2016年11月3日安値から一巡環676日目
6月12日 2018年11月高値から38日の下落に対し、4月高値から38日目
6月13日 4月高値から20日、20日の三波動構成
6月14日 2017年1月高値から2018年3月安値まで331日に対し、2018年3月安値から331日目
6月17日 2016年11月9日安値から一巡環676日目

これら変化日に対し、均衡表は図表4のように変化します。

【図表4】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

注目すべきは6月13日に転換線が108.263円まで下げてくることであり、この点からも放れは近いと見るべきでしょう。受動的に下げきった転換線を上抜いても尚108.887円を上抜けぬケースでは、基準線が下げ切るまでモミアイ継続となる可能性は出てきます。

その場合、7月2日変化日が大事となってきますが、現時点では細かく108.351円水準のモミアイの放れ方に注視すべきと言えるでしょう。6月5日安値割れ、107円台計算値割れでは下放れは明確化しますのでそのケースでは下げ三波動を重視してください。