【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 26062.68 △78.74 (6/10)
NASDAQ: 7823.17 △81.07 (6/10)
1.概況
米国市場はトランプ米大統領がメキシコへの関税発動を見送ると発表したことを好感して続伸となりました。106ドル高でスタートしたダウ平均は昼前に226ドル高まで買われたあと午後に入って上げ幅を縮める展開となりましたが、結局78ドル高の26,062ドルと6日続伸となり節目の26,000ドルを回復して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も81ポイント高の7,823ポイントと5日続伸となっています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、一般消費財・サービスが1%余り上昇したほか、情報技術も1%近く上げました。一方で公益事業と不動産、コミュニケーション・サービスの3業種が下げました。
4.個別銘柄動向
半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が2%以上上げました。マイクロソフト(MSFT)が来年の年末商戦期に投入するゲーム機にAMDの半導体を採用すると発表したことが好感されました。半導体のアナログ・デバイセズ(ADI)も投資判断の引き上げを受けて6%近く上げています。
また、データ分析ツール大手のタブローソフトウェア(DATA)が34%近く上げました。顧客情報管理大手のセールスフォース・ドットコム(CRM)が買収で合意したと発表したことで買収価格にさや寄せする格好で急伸しました。一方でセールスフォース・ドットコムは財務負担を嫌気した売りで5%以上下げています。さらにユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)が3%余り下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。防衛のレイセオン(RTN)との合併にトランプ大統領が懸念を示したことが嫌気されました。
5.為替・金利等
長期金利は0.07%高い2.15%となりました。ドル円は108円台半ば近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
米国市場は米国のメキシコへの関税発動見送りを好感して上昇しましたが、日本市場はこの材料を昨日既に織り込んでいることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が昨日回復した25日移動平均線(昨日時点で21,101円)を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)