「老後破綻」「貧困老人」は他人事ではない
人生100年時代。健康でお金に困らない長寿は目標としたいもの。その「お金に困らない」が重要なポイントであることは誰もが感じるところです。「老後破綻」や「貧困老人」は、実は他人事ではなく、現役時代に高収入であった人でも陥る可能性があります。
人生の3大資金は「住宅」「教育」「老後」です。なかでも「老後」は一番長期に渡る(一生賃貸住宅を選択する場合は「住宅」も老後にかけて長期になりますが)だけでなく、その期間が予測できないだけに余裕をもっておきたいものです。残念な表現ですが、「長生きのリスク」という言葉もあります。
老後資金は公的年金、個人で加入している民間の年金の他は自身で蓄えてきた資産になります。当然、なるべく収入のある現役時代にその資産額を効率よく増やしておくことが大切ですが、もう一点、その蓄えてきた資産がいかに底をつかないように「資産寿命」を延ばすことができるかも重要です。
「資産寿命」を延ばす、というとまず考えるのはなるべく使わないこと、節約でしょう。でも長い老後、元気であれば楽しく有意義に過ごしたいもの。あまりにケチケチとした生活では息が詰まってしまいますよね。
退職金などまとまったお金が入ると気が大きくなって、元気なうちに一生に一度だけ、などと豪遊を続けてしまうことも。これも自身の首を絞めることにつながりかねません。
資産寿命を延ばすために必要な4つの意識
では、どういう意識を持つことが必要なのでしょうか。
1.ある程度の節制
これは無理な節約ではなく、何より「無駄を省く」ということ。
2.かかるお金の把握
現役時代からすべき点ですが、月々どの程度の基本生活費が必要かを知ることで健康に生活する場合の必要なお金が見えてきます。これを思い切って100歳まで、と考えて総額を出してみましょう。
3.万が一を考える
病気やケガで入院や手術など医療費も高齢になるとぐっと増えます。介護が必要になることも。体力に自信のある方もそうした意識をもって余裕をもちましょう。保険に加入しておくことも役立ちます。
4.お金の管理を考える
体力だけではなく、将来的に認知機能などの不安も考えられます。お金の管理の方法、託す人なども含め、考えておきましょう。
現役時代からライフプランニング、投資の開始が必要
資産、公的年金等で「2.かかるお金の把握」「3.万が一を考える」をカバーできるようであれば、そのままで問題はありません。足りない、と感じる場合は現役時代に老後資金をより増やす努力をする、高齢になっても低金利の世の中ではやはりある程度の運用をしていくことが必要になってきます。
以前は現役時代に老後に備えて長期運用をして、高齢になったら安全資産を切り崩して生活、というのが一般的でしたが、老後人生が長くなり、超低金利が続く中ではそれだけでは厳しくなってきています。
無理なリスクは厳禁ですが、まだまだ元気なうち(例えば前期高齢者)は自身でも投資をしていくことが資産を増やし、その寿命を延ばす手立てになります。
これらのことを高齢になってから、急に始めるのはハードルが高い場合もあり、やはり現役時代からもライフプランニングをし、投資を始めておくことが必要です。