新たな窓が発生し、値動きが大きくなっている

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永です。大型連休明けの東京市場は下落基調が継続するかたちとなり、6月4日現在の日経平均株価はついに20,500円を割り込む結果となっています。

そうしたなか先週のコラムでは、「現在の東京市場は下降トレンドに向かうのか、それとも持ち直すのかの重要な局面に位置していると思われますので、トレンド発生につながるような新たな窓の出現に注意すると同時にトレンドが発生した場合、逆のポジションを持っている人は注意したいところです」としました。

はたして、先週から今週にかけて注意するように指摘した新たな窓が発生しており、値動きが大きくなっているのがわかります。

それでは先ず新たに発生した窓を確認しておきたいと思います。

【図表1】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※埋まった窓は青色で表示、埋まっていない窓は赤色で表示

チャートを見るとわかりますが、先週から今週にかけて新たに発生した窓は2つです。1つは先週5月28日と同29日の間にあいた窓で、2つ目は5月31日と6月3日の間にあいた窓になります。

この2つの窓はどの分類になるのかみなさんは考えてみましたか?考えた方は既にわかると思いますが、1つ目の窓も2つ目の窓も過去の値幅の範囲内で発生していることから、コモンギャップと考えることができるのではないかと思われます。

ただ、2つ目の窓はどの分類の窓か判断に迷うかもしれません。なぜなら、1つ目の窓のようにすぐ近くに過去に下げ止まった価格となるいわゆる「節目のあと」が見えないからです。

正しい判断をするためにチャートは7~8ヶ月以上の期間を表示

チャートを表示する場合、私は少なくとも7~8ヶ月以上の期間を表示するようにしています。今回のケースでも、少なくとも半年以上表示していないと過去の値動きが分からない状況です。数ヶ月しか表示されていないチャートで、窓を分類または分析しようとしても正しい判断ができないと言えるのではないでしょうか。

そうしたなか2つ目の窓があいたところで陽線となり下げ渋り、翌営業日の6月4日も下げ渋る展開となっているのがわかります。ではなぜ2日間もこの水準で下げ止まっているのでしょうか。

それは以前にも説明しましたが、過去に下げ止まった水準である2月8日の安値を取引時間中に割り込んだものの、終値で割り込まずに維持していることにあると思われます。

仮に終値で割り込んでいたとしたら、損益状況が悪化するのを恐れる投資家が売り注文を出してさらに下落基調が続いていたかもしれません。しかし終値ベースでは割り込むことなく推移しており、セオリー通りの値動きと考えられそうです。

現在下げ止まっている水準を下回るか要注目

では、今後の値動きはどのように予想されるのでしょうか。これまで解説してきたように、下向きの5日移動平均線上を回復できずに安値更新が続くと、今年1月に発生した、まだ埋まっていない窓を埋めることが考えられますので、さらなる下落に対する備えが必要になるでしょう。

一方で、5日移動平均線上を終値で回復して維持した場合、下向きの25日移動平均線辺りまでの反発が期待されることになるのではないかと思われます。

さてどちらの方向に株価が動くのか、現在下げ止まっている水準を下回るのかどうか要注目です。