みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永です。今回も窓についての解説になりますが、前回を振り返ってみましょう。前回は「5日と75日といった2本の移動平均線に挟まれた状態になりますと、どちらの移動平均線をブレイクするのか判断に迷うところですが、こうしたパターンを形成しているときは移動平均線をブレイクするまでポジションを持ったり、大きくしたりすることは控える必要があります」としましたが、果たして一週間でどのように変化したのか、確認したいと思います。

【図表1】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※埋まった窓は青色で表示、埋まっていない窓は赤色で表示

まず移動平均線の向きと株価の位置を確認したいと思います。5月28日の終値時点の状況を確認しますと、2本の移動平均線に挟まれたままとなっているのが分かります。

また75日移動平均線は緩やかに上昇を続けていますが、5日移動平均線は下向きとなっています。この5日移動平均線が下向きに変化した理由は、株価が5月22日と23日のあいだに窓をあけて5日移動平均線を下回ったことによります。

ただこのときにあけた窓は過去の値幅の範囲内にあいた窓ですので、トレンドの発生を示す窓ではなく、コモンギャップ(普通の窓)と考えることができます。その窓を5月28日の上昇で直ぐに埋める結果となったことから、予想した通りにコモンギャップだったということが示されたと同時にトレンドが定まっていないということになるのではないでしょうか。

こうした状況から5日移動平均線上を回復してはいるものの、再び5日移動平均線を下回ってしまうようですと、まだ埋まっていない1月にあけた窓に接近することも視野に入れておく必要があるのではないかと思われます。

一方で、5日移動平均線上を維持すると同時に5日移動平均線が上向きに変化するようですと、75日移動平均線辺りまでの戻りが期待できそうです。いずれにしても5日移動平均線上を維持して5日移動平均線が上向きに変化することが重要なポイントになると思われます。

現在の東京市場は下降トレンドに向かうのか、それとも持ち直すのかの重要な局面に位置していると思われますので、トレンド発生につながるような新たな窓の出現に注意すると同時にトレンドが発生した場合、逆のポジションを持っている人は注意したいところです。