今週の日経平均は2万円の大台を巡る攻防か。米中対立の激化が景気減速懸念をより強め相場のセンチメントを悪化させている。どうしても買いは細り上値は重い。為替は108円台前半まで円高が進み、この状況で海外市場がもう一段、大幅安となれば日経平均も2万円の大台割れがあるだろう。しかし、日経平均のPBRは先週末時点で1.04倍。2万円を割ればPBRはほぼ1倍、大底と考えてよいだろう。
景気減速懸念で米国の金利が下がり、円高が急速に進行している。米国の金利先物市場が織り込む年内の利下げ確率は85%にまで高まっている。このような状況で今週の注目はFRBが4~5日にシカゴで当局者や学識経験者を集めて開催する、金融政策の枠組みを考える討論会だ。
会議にはハーバード大学やシカゴ大学の教授のほか、労働組合や中小企業向け融資団体の代表らが出席する。地域リーダーで構成するパネリストを招き、労働市場の状況や金利の影響について意見を聞くことを目的としている。公聴会のような形式で異例の試みだが、昨年11月に決まっていたもので、足元の環境変化を受けて急きょ開催されるものではない。それでもこの会議は、金融政策手段や伝達方法、物価安定と雇用最大化という目標の定義などを見直すべきかを今後検討するのに中心的な役割を果たすイベントとなるので、いかなる意見が出されるのか注目に値する。
月初週ということで雇用統計はじめ重要な経済指標の発表が多いが、中でも注目はISM製造業景況感指数だ。前回は予想を大きく下回った。今回の予想は若干改善して53.0。5月23日に発表された5月PMI製造業景況指数は予想52.5に対し、結果は50.6と、予想を大きく下回り、しかも50近くまで下がった。このところ製造業の景況感の悪化は世界的傾向なので、ISMにも警戒したい。しかしグッドニューズは、ISMの先行指標であるシカゴ購買部協会の5月PMIが54.2で、前月から1.6ポイント上昇したことだ。
予想レンジは1万9900~2万700円とする。