【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25347.77 ▼237.92 (5/28)
NASDAQ: 7607.35 ▼29.66 (5/28)
1.概況
米国市場はトランプ米大統領の米国は中国と取引する準備はできていないなどといった発言を受けて米中貿易摩擦が長引くとの見方から反落となりました。30ドル高と上昇してスタートしたダウ平均は131ドル高まで上昇しましたが、買いが続かず上げ幅を縮めるとマイナスに転じ午後には下げ幅を広げる展開となりました。結局ダウ平均は237ドル安の25,347ドルと安値圏で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も29ポイント安の7,607ポイントとなっています。
2.経済指標等
3月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で主要20都市圏の住宅価格指数は前年同月比2.7%上昇し市場予想を上回りました。また、5月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数も134.1と前月から上昇し市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスを除く10業種が下げました。そのなかでも生活必需品と公益事業が1%台後半の下落となったほか、ヘルスケアと不動産、金融、エネルギーも1%を上回る下げとなっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はビザ(V)を除く29銘柄が下げました。そのなかでもユナイテッドヘルス・グループ(UNH)とインテル(INTC)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、エクソンモービル(XOM)が2%以上下落したほか、金利低下を受けてゴールドマン・サックス(GS)も2%近く下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、米国市場全体のたばこ販売の減少幅が4年ぶりの大きさになったとの調査会社の発表を受けてアルトリア・グループ(MO)が5%近く下落しています。バイオ医薬のギリアド・サイエンシズ(GILD)も投資判断と目標株価の引き下げを嫌気して4%を超える下げとなりました。さらに後発薬のテバ・ファーマシューティカル・インダストリーズ(TEVA)も投資判断の引き下げを受けて急落し12.%以上下げています。
一方で処理能力を高めたパソコン向けとゲーム向け画像処理向けの半導体を7月に発売すると発表したアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が急伸し10%近く上げました。仏ルノーに経営統合を提案したと発表したフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCAU)も7%以上上昇しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.06%低い2.26%となりました。ドル円は109円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の21,000円近辺で底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)