今週はまず27日の日米首脳会談が注目される。日本政府はトランプ大統領を国賓として最大限の厚遇でもてなしており、首脳会談が不調に終わることは考えにくい。すでに26日の段階で日米貿易交渉の妥結は参院選後まで待つとトランプ大統領は発言している。今回のトランプ大統領訪日は友好的な日米関係の再確認として相場にはポジティブと受け止められるだろう。

一方、米中貿易摩擦が市場に陰を落とすなかイギリスのメイ首相の辞任、欧州議会選挙でのEU懐疑派の台頭など懸念材料もある。しかしそれらは想定通りで、週明けの東京市場でそれほど強い売り材料にはならないだろう。但し、109円台前半まで円高が進行していることは重石となろう。

日経平均は節目の2万1000円を割り込んだものの、下値では抵抗力を見せた。PBRがほぼ1倍という現在の水準では、ダウンサイドは限られる。上値を買う向きは少なくとも、ここから売り込んでもあまり妙味はない。実際、海外投資家の売りは止んできており、日銀のETF買いや企業の自社株買いなどで相場の需給はタイトだ。ここからは、6月G20での米中首脳会談の実現性も含めて米中対立の落としどころを示唆するようなニュースを待ちたい。

昨日の日経新聞が報じたように、上場企業全体の業績はほぼ横ばいで伸び悩みだが、5社に1社は最高益を更新する見通しだ。上場企業の多さ(それが日本市場の問題だが)を考えれば、買える銘柄は意外とたくさんある。

経済指標の発表で今週の注目は31日の中国の5月製造業PMI(購買担当者指数)。2ヶ月連続で50を上回っているが5月も50を超えるか注視したい。

予想レンジは2万800円~2万1600円とする。