前回のコラム「米ドル/円相場、現在安値はぎりぎりの位置にある」では、5月13日安値位置まで下げすぎであり、コメント時の5月14日位置は各均衡表からぎりぎりのポイントであると述べました。

下げるようなら下げ幅は出る可能性が高く、戻る場合であっても再出発には時間がかかるとコメントしています。

実際の変動は5月20日に110.313円まで戻し、5月21日現在はさほど動かぬ状態となっています。5月21日まで安値から6日間、受動的に下げる日足転換線を上抜いたとは言え、戻りは決して大きいとは言えません。

今回は久しぶりに、一巡環(676日間)の時間経過から見てどうかを最初に確認しておきましょう。

一巡環(676)は一目均衡表の基本数値の最大の単位(単位というのは大げさですが)となり、9を基本とする基本数値にはそれぞれ名称があります。

・9     一節
・26   一期(三節)
・76   一巡(三期)
・226  一環(三巡)
・676  一巡環(三環)

いずれも上昇日数、下落日数、モミアイ日数の限界の目安とするものですが、大事な高値、安値からの時間経過ではこれらの時間経過でひとまず自分の判断を見直す癖をつけることが大事となります。


実際に一巡環の時間経過を見てみましょう。

【図表1】米ドル/円(週足)
出所:筆者作成


図は週足の米ドル/円チャートとなります。

2015年6月5日高値から676日目は2018年1月10日であり、相場が崩れる前の高値2018年1月8日までは674日となっています。

二番天井2015年8月12日高値から2018年3月26日安値までは683日間と一巡環をわずかに超えていますが、676日目の3月19日は底値モミの相場水準をつけていることがおわかりになるでしょう。

【図表2】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

また注目すべきは、2016年6月安値に至る戻り高値2016年3月2日(114.551円)からの一巡環でありまして、2018年10月4日高値は114.548円、同水準で675日間となっています。

【図表3】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

また2016年6月安値から2019年1月31日安値までは677日、2016年9月27日安値から676日目の5月3日から相場が大きく下げてきたことはやはり注目に値すると言えるでしょう。

【図表4】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

今後の一巡環変化日は2016年11月3日から676日目の2019年6月11日、2016年11月9日から676日目の2019年6月17日となりますが、6月17日は5月13日安値から26日目の基本数値、4月高値から39日目でもあります。

前回述べたように2019年1月安値までの下落日数は大事でありまして、2018年11月12日高値からの下落日数38日に見合うものであることはここでは示唆する点多いと言えるでしょう。

2016年12月高値から2018年3月安値まで330日、2017年1月高値から318日の下落に対し2018年3月安値から2019年5月21日までが301日となっておりまして、2018年安値を中心とする対等数値の変化日もこれら変化日の期間に経過してきます。

時間的には大きく動きだすのは6月半ばからということは直感してよいわけであります。

さて次回は遅行スパンを使った相場の把握の仕方の一例として基本数値足について解説します。

遅行スパンは26が基本となりますが、9、13、17、小さいものでは3、5、7も基本数値でありましてこれらの遅行スパンは時に非常に便利です。ぜひお調べください。