【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25862.68 △214.66 (5/16)
NASDAQ: 7898.05 △75.90 (5/16)
1.概況
米国市場はシスコシステムズ(CSCO)とウォルマート(WMT)の好決算や良好な経済指標を好感して3日続伸となりました。ダウ平均は44ドル高でスタートすると大きく上げ幅を広げる展開となり昼前には309ドル高まで上昇しました。その後、午後に入って上値が伸び悩むと引けにかけて上げ幅を縮めたものの結局214ドル高の25,862ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も75ポイント高の7,898ポイントとなっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万6000件減の21万2000件となり市場予想を上回る改善となりました。また、4月の米住宅着工件数も年率換算で前月比5.7%増の123万5000戸となり市場予想を上回りました。5月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数も16.6と前月から上昇し市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも素材と金融、一般消費財・サービスが1%以上上昇したほか、情報技術とコミュニケーション・サービスも1%近く上げています。
4.個別銘柄動向
決算が市場予想を上回る増収増益となったシスコシステムズが6%を超える上昇となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。737MAXの墜落事故の原因となった制御システムのソフトウエアの修正が完了したと発表したボーイング(BA)も2%以上上げ、ダウ平均構成銘柄でシスコシステムズに次ぐ上昇率となっています。また、決算で1株利益が市場予想を上回ったウォルマートも1%を上回る上昇となりました。
さらに取引終了後に決算を発表した半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)が売上高や1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で大幅高となっています。同じく取引終了後に決算を発表した画像処理半導体大手のエヌビディア(NVDA)も減収減益ながら1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で一段高となっています。
一方で米国が中国の通信機器最大手ファーウェイに対する米国製ハイテク部品などの禁輸措置を発動したことで通信用半導体株が売られ、クアルコム(QCOM)が4%下げたほか、ザイリンクス(XLNX)も7%以上下げています。メモリーを供給するマイクロン・テクノロジー(MU)も3%近く下げました。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%高い2.39%となりました。ドル円は109円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)