米中摩擦が本格化しています。これは一時的なことではなく、ずっと続くことでしょう。アメリカは中国に世界の覇権を取られないように、本当に真剣なのです。
インターネットとAI(人工知能)が、中国を急速に強大化し、遂にはアメリカをも抜こうとしています。産業革命前、中国とインドのGDPは世界の3分の2を占めていました。その頃、経済は人口ベースだったのです。ところが産業革命によって生産技術が欧米に偏在するようになり、GDPもまた、欧米に偏在し、中国・インドは経済的には本当に小さい存在になりました。ところがインターネットの出現と発達により、生産技術とその情報は欧米への偏在から、世界全体に環流するようになりました。そうするとまた、世界経済は人口ベースに戻っていく。今はその過程にあります。
そしてそのプロセスを加速しているのがAIです。生産技術情報があっても、経験の蓄積を必要とするものは一杯あります。しかしAIが、機械学習が、その経験の蓄積・学習を、飛躍的に桁違いに速くすることが可能になりました。
インターネットが自由民主主義を拡げると考えていたアメリカは、寝首をかかれるようになってしまいました。しかしAIが来るまでは、のんびりしていたのです。今はもうお尻に火がつきました。トランプのことは、アメリカ人は好きな人も嫌いな人も半々ですが、対中政策については、概ねみな賛成です。そんな時代になりました。
日本はどうするべきか?少なくともAI、ロボティクス、それの土台になる個人情報を含めた情報の活用についての規制緩和を大胆に進めないと、人口も少なくてAIも活躍できない国なんて、かなり取り残されると思うのです。米中摩擦を厄介な他人事と思っていてはダメですね。