今日はなんと、平成最後の営業日です。この約30年間は、どんな時代だったのでしょう?私は、平成とは、日本が30年掛けてノーマライズした時代だと捉えています。昭和が終わった頃、日本は極めて特異な国でした。戦後40年で奇跡的な復興を遂げ、世界第二位の経済大国に上り詰めた我が国は、もちろんバランスの取れた政策・仕事の仕方・社会のあり方で、そんな奇跡が起こせる訳がなく、極めて偏った、或る意味でいびつなやり方で国を運営した結果をそのまま表していました。年功序列、ダイバーシティのなさ、24時間働けますか、一点集中投資的な産業政策、偏った教育のあり方、その他もろもろ。それらが相まって、たまたまその偏った重点のかけ方が時代に当たり、日本は奇跡的な成長を実現しました。

しかし、一点買いで儲けたら、それは利食って分散ポートフォリオにバランスさせねばならない。極端な成功体験からそれを怠った日本は、バブルのピークから崩れていきました。株価が下がり、PERが下がり、差別的な雇用体系が徐々に壊れていき、社会はより本来の意味でのリベラルな、自由平等な形になり、日本だけでビジネスを考える者は減り、あらゆる側面で、グローバル化が進みました。これらは全て、異常だった日本がノーマライズするプロセスだったと考えています。

ノーマライズする中で、世界第二位の経済大国は第三位になりました。しかし国民金融資産はダントツの世界第二位で、教育水準も、社会の安定性も、抜群にいい国です。企業の収益力も上がり、グローバル化も進み、コーポレートガバナンスも良くなり、株主還元も良くなりました。そうです、日本の上場企業の性能は、平成の初期に比べて、遙かに良くなりました。

しかし!何故かPERだけが(株価が)、世界的に見て低く放置されています。何故でしょう?上場企業の性能が向上した一方で、投資家の性能は向上したでしょうか?投資家も証券会社も、日本株の株価の上下を占ってばかりで、企業の本来の価値をしっかりと考えることを怠って来たのではないでしょうか?その結果、どんなに日本株全体のPERが低くても、前日のニューヨークで株が売られると取り敢えず日本でも売られてしまうようになってしまった。

これではいけない。アクティビストのように企業の本来価値を研究し、その価値を上げるように企業とコミュニケーション(或いは”エンゲージ”と云います)し、株主としての権利を行使していく。こういったことを推進することで、投資家はもっともっと企業のことを知り、企業価値を高めることに関わり、そして最終的により高いPERまで株を買いに行けるのではないか?即ち、日本の株式市場を活性化し、日本の株価を上げることに繋げられる。そう信じて、私たちはマネックス・アクティビスト・フォーラムを始めました。

次の営業日はもう令和元年です。そして令和元年5月19日、日曜日、東京で、大規模なマネックス・アクティビスト・フォーラム・イベントを催します。世界を代表する、著名な、日本株に対するプロのアクティビストも参加します。そして一緒に、どのように企業の価値を考えるべきか、どのように企業と対話して、企業価値を上げ、最終的に株価を上げていくべきか。そんな話を、具体的に、熱く、議論します。

ノーマライズ・プロセスを終えた後の日本、令和の日本は、成長する、上がっていく日本です!そしてそのプロセスに主体的に関わっていきましょう!それでは、令和元年にまたお会いしましょう!

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