検証すると…格言通りにしたら高パフォーマンス

株式市場では、“Sell in May and go away. Don’t come back until St Leger day.”「5月に手仕舞いして(相場から)撤退せよ、セント・レジャー・デー(9月の第2土曜日)まで戻ってくるな」という格言は有名です。「夏場の撤退」は本当に有効なのか。

過去を検証すると納得できます。S&P500の1995年12月を100として、1996年から毎年、10月から5月までS&P500で運用し、6月から9月までは市場から撤退するという投資方法を採用したとします。

今年4月(4月22日まで)までの約23年間でその投資方法を続けた場合、累積リターンで505%、年率で8.02%となり、実際のS&P500で通年運用した場合の累積リターン372%、年率6.88%を大きく上回るパフォーマンスとなります。

一方、逆に、6月から9月までS&P500で運用し、10月から5月までは市場から撤退するという投資方法を採用した場合、この23年間は全く利益を得られず、累積リターンは-22%、年率-1.06%とマイナスになってしまいました。

10連休明けをポジティブに迎えても買いで市場に入るのはタブー

日本の株式市場でも5月に米国株に連動して相場が急落することもあり、この時期に相場が崩れると、「セルインメイ」だと話題になることがあります。

今年はその前に10連休という未曾有のイベントがあるため、連休前後のことばかりが気になるようですが、米国株式市場は大局観でみると、5月相場をどう考えるかで長期的なパフォーマンスが変わってくるようです。

今晩から米主要企業の決算が再び増えてきます。今週と来週でS&P500採用のうち、約300銘柄が発表と、これからの2週間が発表のピークとなります。ダウ採用銘柄でも、まだ6銘柄しか終えていません。

過去を振り返ると1~3月期の決算発表が始まってから20日間程度のS&P500やラッセル2000のパフォーマンスは、ほかの四半期に比べてあまりよくないようです。

だから、もし、10連休明けをポジティブに迎えた場合でも、あえて買いで市場に入るのはタブー。特に、5月10日は昨年12月26日安値~3月4日高値までの日柄が対等するタイミングになるため、翌週以降は相場つきが変わるかもしれないからです。