東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は先週末の米国市場が休場で材料に乏しく方向感に欠ける展開となりました。日経平均は11円安の22,188円で寄り付くとやや下げ幅を広げましたが、下げ渋ったことで切り返すとプラスに転じ9時50分には79円高の22,280円まで買われました。しかし、4月17日に付けた年初来高値(22,277円)を僅かに上回ったところで上値を押さえられたことで再びマイナスに転じ10時半には101円安まで売られました。その後持ち直した日経平均は前場を20円高で終えると後場に入って小幅にマイナスとなる場面もありましたが、13時半ごろからやや買いが優勢になると小高く推移し結局17円高の22,217円で取引を終え続伸となりました。

こうしたなか新興市場は軟調で東証マザーズ指数が反落となったほか、日経ジャスダック平均も3日続落となっています。

2.個別銘柄等

小売り株に堅調なものが目立ちました。ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)が5.7%高となったほか、セブン&アイ・ホールディングス(3382)やイオン(8267)、ローソン(2651)、エービーシー・マート(2670)も2%以上上げました。また、建設や食品、医薬品、不動産、電鉄などそのほかの内需・ディフェンシブ銘柄にもしっかりとしたものが目立ちました。

材料が出たところでは大和ハウス(1925)が6.8%高となりました。中国の関連会社で発覚した不正行為などで当期利益は下方修正されたものの、2,000棟を超す賃貸アパートと戸建て住宅が不適切な部材や構造で建築されていたと発表して以来株価が大きく水準を切り下げ先週末に年初来安値を付けるなか、商業施設事業など本業が好調で2019年3月期の営業利益の見通しを3450億円から3700億円に上方修正したことなどから買い戻しが入りました。

一方で繊維機械大手の島精機製作所(6222)が世界的な景気減速を背景に主力のコンピューター横編み機が低迷したことで営業利益の見通しを80億円から43億円へと下方修正したことから一時9%以上下げる場面がありました。引けは1.7%安と下げ渋っています。

VIEW POINT: 明日への視点

今週は日米で決算発表が佳境を迎えます。米国ではツイッター(TWTR)やボーイング(BA)、キャタピラー(CAT)、フェイスブック(FB)、テスラ(TSLA)、インテル(INTC)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)など注目度の高い企業が次々と決算を発表する予定です。また、日本では明日の日本電産(6594)を皮切りにファナック(6954)やアドバンテスト(6857)、任天堂(7974)などに加え、決算発表前半戦のピークとなる26日にはコマツ(6301)、日立(6501)、ソニー(6758)、三井物産(8031)、東京エレクトロン(8035)や海運大手3社など数多くの企業が決算を発表します。こうした決算発表を受けて米国では史上最高値にトライするような展開となるか、そして日本では10連休を前にさらに年初来高値を更新するような動きとなるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)