【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26412.30  △269.25 (4/12)
NASDAQ: 7984.16  △36.81 (4/12)

1.概況

先週末の米国市場はJPモルガン・チェース(JPM)の好決算を受けてこれから本格化する決算発表への期待が膨らみ上昇しました。214ドル高と大きく反発して始まったダウ平均はまもなくして293ドル高まで上げ幅を広げた後昼前に170ドル高程度まで弱含む場面もありましたが、午後に再び上げ幅を広げると結局269ドル高の26,412ドルと反発し取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も36ポイント高の7,984ポイントと反発しています。

2.経済指標等

3月の米輸入物価指数は前月比0.6%上昇し市場予想を上回りました。米輸出物価指数も0.7%上昇し市場予想を上回っています。一方で4月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は96.9と前月から低下し市場予想も下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が上げ、金融が2%近く上昇したほか、素材と資本財・サービスも1%以上上げています。一方でヘルスケアが1%近く下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が上げました。そのなかでも今年11月に始める動画配信サービスの詳細を発表したウォルト・ディズニー(DIS)が11%余り上昇しダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり、ダウ平均を1銘柄で100ドル余り押し上げています。また、ダウ(DOW)も6%を超える上昇となったほか、市場予想を上回る増収増益の決算を発表したJPモルガン・チェースも4%を上回る上昇となっています。

一方で前日に民主党のサンダース上院議員が国民皆保険制度の導入を改めて主張したことを受けて大幅安となったユナイテッドヘルス・グループ(UNH)は売りが止まらず大幅続落となり5%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。さらに石油・ガス開発のアナダルコ・ペトロリアム(APC)を総額500億ドルで買収すると発表したシェブロン(CVX)が財務負担を懸念した売りで5%近い下落となっています。アナダルコ・ペトロリアムは買収価格にさや寄せする格好で急伸し32%高となりました。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.07%高い2.56%となりました。ドル円はさらに円安が進み112円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高と円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の22,000円を回復しそうで、先週末に続いて年初来高値更新となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)