東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は303円高の2万1509円と大幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数も上昇しましたが新興市場のマザーズ指数は1.3%安と下落しました。
先週末の米国市場で主要指数が上昇したことや、昨日発表された中国の製造業購買担当者指数(PMI)が市場予想を上回って前月から大きく改善したことなどを受け、日経平均は295円高の2万1500円で寄り付きました。日経平均は11時半頃に発表される新元号への期待感もあってか寄り付き後も上げ幅を大きく広げる展開となりました。ほぼ一本調子で上げ幅を広げた日経平均は一時は477円高まで上昇しました。
前場を473円高と高値圏で終えた日経平均はお昼休みに新元号「令和」が発表され出尽くし感もあったのか、後場に入ると徐々に上げ幅を縮めて一時は2万1500円の節目を下回る時間帯もありました。日経平均は引け間際にやや値を戻し結局2万1509円で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆4846億円となりました。
東証33業種は空運業を除く32業種が上昇しました。中でも石油石炭製品が4%を超える上昇となったほか、鉄鋼、金属製品、非鉄金属、輸送用機器、繊維製品などがいずれも2%を超える上昇となりました。
なお、寄り付き前に発表された日銀短観は大企業製造業の現状、予測とも前回調査から悪化し市場予想よりも悪い結果でしたが、マーケットへの影響は限定的でした。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが上昇しました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)、第一三共(4568)、任天堂(7974)、ファーストリテイリング(9983)、トヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)、三菱UFJ(8306)、安川電機(6506)がいずれも上昇しました。中でも開発中の抗がん剤の開発や販売で英製薬大手と提携したと発表して先週末にストップ高となった第一三共は、大手証券が投資判断と目標株価を引き上げたこともあり本日も8%超の大幅高となりました。一方でZOZO(3092)とキーエンス(6861)が下落し、ZOZOは4%超下げています。
その他材料が出たところでは、今期の業績予想を下方修正した外食の吉野家ホールディングス(9861)が2%近く下げました。一方で建築物評価などを行うERIホールディングス(6083)は12-2月の決算が大幅な増収増益となったことが好感され10%近い大幅高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
好材料が重なった日経平均は大幅高となりました。今週はISM製造業景況指数や米雇用統計など米国の重要経済指標が注目されるほか、徐々に本格化する小売を中心とした2月決算銘柄の決算発表が注目されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)