【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25717.46  △91.87 (3/28)
NASDAQ: 7669.17  △25.79 (3/28)

1.概況

米国市場は28日から再開された閣僚級の米中貿易協議で中国政府が情報技術の移転などでこれまでにない提案をしたと伝わったことで協議進展への期待が高まり反発しました。67ドル高でスタートしたダウ平均は117ドル高まで買われた後、冴えない住宅関連指標を受けて上げ幅を縮めると昼前にマイナスに転じましたが、下げ渋るとまもなくして持ち直し午後に再び上げ幅を広げる展開となりました。結局ダウ平均は91ドル高の25,717ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も25ポイント高の7,669ポイントとなっています。

2.経済指標等

2018年10-12月期の米実質国内総生産(GDP)確定値は年率換算で前期比2.2%増と速報値から0.4ポイント下方修正され市場予想も下回りました。また、2月の米中古住宅販売仮契約指数も前月比1.0%低下の101.9となり上昇を見込んでいた市場予想を下回りました。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比5000件減の21万1000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材や金融、資本財・サービスなどの9業種が上げ、素材は1%近く上昇しました。一方で公益事業とコミュニケーション・サービスの2業種が下げ、公益事業は1%を超える下落となっています。

4.個別銘柄動向

冴えない住宅関連指標を受けて住宅関連株が売られました。レナー(LEN)が3%以上下げたほか、DRホートン(DHI)とトール・ブラザーズ(TOL)も2%安となっています。また、調査会社のニールセン(NLSN)が買収に関心を示していた投資会社のブラックストーン(BX)が買収提案を見送る見通しと伝わったことで急落し11%余り下げました。一方で決算が市場予想を上回ったことでコンサルティング大手のアクセンチュア(ACN)やスポーツ衣料のルルレモン・アスレティカ(LULU)、アパレルのPVH(PVH)などが買われました。アクセンチュアが5%を超える上昇となったうえ、ルルレモン・アスレティカとPVHも14%以上上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い2.39%となりました。ドル円は110円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。年度末でドレッシング買いも期待されるなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)