【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25625.59  ▼32.14 (3/27)
NASDAQ: 7643.38  ▼48.15 (3/27)

1.概況

米国市場は長期金利の低下を受けて景気後退の前触れとされる長短金利の逆転(逆イールド)が一段と進むとの懸念から反落となりました。ダウ平均は18ドル高でスタートすると100ドル高まで上げ幅を広げましたが、買いが続かずまもなくしてマイナスに転じると下げ幅を広げ昼前には232ドル安まで下落しました。その後、午後に入って徐々に持ち直したダウ平均ですが結局32ドル安の25,625ドルで取引を終え3日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も48ポイント安の7,643ポイントとなりました。

2.経済指標等

1 月の米貿易収支の赤字額は前月比14.6%減の511億4900万ドルとなり市場予想を下回りました。一方で2018年10-12月期の米経常収支の赤字額は1344億ドルとなり市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちヘルスケアやエネルギー、公益事業など10業種が下げました。一方で資本財・サービスが上げています。

4.個別銘柄動向

2度の墜落事故を起こした新型機737MAXのプログラムを修正したと発表したボーイング(BA)が1%高となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、ダウ平均構成銘柄ではトラベラーズ(TRV)も1%高となったほか、目標株価の引き上げを受けてアップル(AAPL)も1%近く上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、住宅建設大手のレナー(LEN)が決算で先行きの新築住宅需要の回復見通しを示したことで4%近く上げています。一方で医療保険のセンティーン(CNC)が同業のウェルケア・ヘルス・プランズ(WCG)を総額173億ドルで買収すると発表したことで財務負担を懸念した売りが出て5%近く下げています。ウェルケア・ヘルス・プランズは買収価格にさや寄せする格好で急伸し12%以上上げました。

5.為替・金利等

長期金利は0.06%低い2.36%となりました。ドル円は110円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)