【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25502.32  ▼460.19 (3/22)
NASDAQ: 7642.67  ▼196.29 (3/22)

1.概況

先週末の米国市場は米国やドイツの経済指標が大幅に悪化したことや短期金利と長期金利が逆転する逆イールドが発生したことで世界的な景気停滞懸念が意識され、大幅に下落しました。117ドル安でスタートしたダウ平均は寄り付き後も下げ幅を大きく広げる展開となりました。やや値を戻す時間帯もあったダウ平均ですが引けにかけて再度売られると結局460ドル安の25,502ドルとほぼ1日の安値で取引を終えました。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も196ポイント安の7,642ポイントと大幅に下落しました。ナスダック総合指数の下落率は2.5%に達しました。

2.経済指標等

先週末に発表された3月の米製造業PMIは52.5と市場予想を下回って前月から悪化しました。一方で2月の中古住宅販売件数は年率換算で前月比11.8%増の551万戸と市場予想を上回りました。なお、ドイツの3月の製造業PMIは44.7と前月から大幅に悪化し2012年8月以来の低水準となりました。

3.業種別動向

S&P業種別株価指数は公益事業を除く10業種が下げました。中でも素材が3%近く下げたほか、金融やエネルギー、情報技術なども大きく下げています。

4.個別銘柄動向

先週末の米国市場でダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が下落しました。中でも決算が低調だったナイキ(NKE)が7%近く下げたほか、インドネシアの航空会社が737MAXの発注をキャンセルしたと報じられたボーイング(BA)も3%近く下げました。一方でコカコーラ(KO)やマクドナルド(MCD)、トラベラーズ(TRV)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)の4銘柄は上昇しました。

5.為替・金利等

米長期金利は景気停滞懸念から安全資産への需要が高まり前日比0.09%低い2.44%となりました。ドル円は円高に振れ110円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

ダウ平均が大幅に下落し円高が進むなど急速にリスクオフムードが強まったことを受け、本日の日本市場で日経平均は大幅に下落してのスタートが予想されます。日経平均が21,000円の節目が意識されるほどの軟調な展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)