【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 24404.48  ▼301.87 (1/22)
NASDAQ: 7020.36  ▼136.87 (1/22)

1.概況

米国市場は国際通貨基金(IMF)が2019年の世界経済の成長率予想を下方修正したことなどで世界景気の減速懸念が意識されたことや、月末に開催予定の閣僚級の米中貿易協議の予備協議開催をトランプ米政権が拒否したと伝わったことで5日ぶりに反落となりました。ダウ平均は98ドル安でスタートすると一日を通して大きく下げ幅を広げる展開となり取引終盤には460ドル安余りまで売られました。その後引けにかけてやや持ち直したダウ平均ですが結局301ドル安の24,404ドルで取引を終えています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も136ポイント安の7,020ポイントとなっています。

2.経済指標等

12月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比6.4%減の499万戸となり市場予想も下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業を除く10業種が下げました。そのなかでもエネルギーと資本財・サービスが2%を超える下落となったほか、通信サービスも2%近く下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はマクドナルド(MCD)とナイキ(NKE)、コカ・コーラ(KO)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)を除く26銘柄が下げました。そのなかでもキャタピラー(CAT)とダウ・デュポン(DWDP)が3%を超える下落となっています。また、決算で通期の業績見通しが市場予想を下回ったジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も1%を超える下落となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、電子商取引のイーベイ(EBAY)がヘッジファンドが株式を取得し一部事業売却などのリストラを提案したことが明らかとなったことで6%以上上げています。一方でたばこ大手のアルトリア・グループ(MO)が投資判断の引き下げを受けて7%近く下げています。航空機向けアルミ部品大手のアーコニック(ARNC)も投資会社への身売りを撤回したことで急落し16%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%低い2.74%となりました。ドル円は109円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の20,500円を下回る展開となりそうです。また、本日は昼ごろに日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定ですが、金融政策に変更はないとみられています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)