東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は昨日に日経平均の上げ幅が今年最大となったということもあって利益確定の売りに押され小幅に反落しました。119円安の19,957円と昨日に回復した20,000円を割り込んで寄り付いた日経平均は取引開始直後に160円安程度まで下げ幅を広げた後持ち直すと取引開始から30分余りでプラスに転じました。しかし、昨日の終値をわずかに上回る6円高の20,084円で上値を押さえられると直ぐに下げに転じ前引けの15分余り前には177円安の19,900円まで下落しました。
その後、後場に15円安まで持ち直す場面もあった日経平均は今度は昨日終値を前に上値が押さえられると20,000円を割り込み取引終盤に159円安まで下げ幅を広げましたが、引けにかけて持ち直すと結局62円安の20,014円と20,000円の大台を何とか維持して取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数は反落となりましたが、日経ジャスダック平均は小幅に続伸となっています。
2.個別銘柄等
米グーグルが2019年に日本で求人関連事業に参入すると伝わったことでリクルートホールディングス(6098)が3.5%安となりました。そのほかの求人サービス関連株も軒並み安く、エン・ジャパン(4849)が5.3%安、パーソルホールディングス(2181)が5.5%安、キャリアインデックス(6538)が8.8%安、ディップ(2379)が3.8%安となっています。また、オンワードホールディングス(8016)の子会社であるオンワード樫山がZOZOTOWNから退店すると報じられたことでZOZO(3092)が急落し11.2%安となっています。
さらに昨日の取引終了後に発表した第3四半期決算に大きく反応する小売り株が幾つかみられました。ニトリホールディングス(9843)は9カ月累計の営業利益こそ前年同期比10.8%増と二桁の増益を確保したものの、直近の3カ月間が小幅な営業減益になったことで3.6%安となりました。J.フロント リテイリング(3086)も営業利益が前年同期比で10.6%減の二桁減益となったことで9.0%安となり年初来安値を更新しました。高島屋(8233)も本日の引け後に決算発表を控えていることから警戒した売りが出て3.6%安となっています。
一方でホームセンター大手のDCMホールディングス(3050)が4.8%高と大きく上げました。6%近い営業増益となる堅調な決算を発表したことに加え、自社株買いを発表したことも好感されました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日は大納会で今年の取引もこれで終了となりましたが、今年の日経平均の年間パフォーマンスは年末に一段安となったこともあって12%のマイナスとなりました。その結果2012年から6年間続いた上昇相場が残念ながら途切れることになりました。ただ、来年の亥年のこれまでの勝敗は4勝1敗で、勝率は8割を誇ります。来年はさらに勝ち星を重ねる年になってほしいものです。本年も当欄をご覧頂き誠にありがとうございました。2019年もどうぞよろしくお願い致します。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)