東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は127円安の2万987円と続落し3月26日以来約9ヶ月ぶりに2万1000円の節目を割り込みました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数も下落しましたが新興市場のマザーズ指数は1.2%高と上昇しました。昨日の米国市場で主要指数は小幅に上昇しましたが下落する場面もあるなど引き続き不安定な値動きだったこともあってか日経平均は8円安と小安く寄り付きました。注目度の高かったソフトバンク(9434)の初値が公募価格の1,500円に対し1,463円と公募割れとなりその後も下げ幅を広げたことがマーケットのセンチメントを悪化させたようで日経平均はまもなく234円安まで下落しました。その後は持ち直しプラスに転じる場面もあった日経平均ですが長続きはせず再びマイナスに転じると前場を90円安で終えました。日経平均は後場寄りからやや下げ幅を広げるとその後も安値圏での推移が続き結局127円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆8046億円となりました。東証33業種は空運業や建設業、精密機器など9業種が上昇しました。一方で鉱業や電気・ガス業、石油石炭製品など24業種が下落しています。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下落しました。売買代金トップには本日上場したソフトバンクが入り終値は1,282円と公募価格から15%近く下落しました。親会社のソフトバンクグループ(9984)も1%近く下げています。その他にも任天堂(7974)、武田薬品(4502)、トヨタ自動車(7203)、ファーストリテイリング(9983)、ソニー(6758)、三菱UFJ(8306)、三井住友(8316)、東京エレクトロン(8035)がいずれも下げています。材料が出たところでは欧州事業からの撤退を発表したフリーマーケットサービスのメルカリ(4385)が4.4%安となり年初来安値を更新しました。また、ドラッグストアのツルハホールディングス(3391)も9-11月期の営業利益が前年同期から小幅な減益に終わるなど伸び悩んだことを受け6%近く下落し年初来安値をつけました。

VIEW POINT: 明日への視点

注目されたソフトバンクの上場ですが結果的には冴えない値動きとなりました。今夜の米国市場では連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表が行われます。利上げが実施されることは確実視されており、FOMCメンバーの来年の利上げ回数予測に変化が起きるかが注目されています。発表後はドル円が大きく動く可能性もあり注意を払いたいところです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)