東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は3日ぶりに反落となりました。昨日までの2日間で670円近く上げた後ということもあって利益確定の売りが出て177円安の21,638円で寄り付いた日経平均は一旦64円安まで持ち直しましたが、9時半ごろから下げ幅を広げると中国の経済指標が市場予想を下回ったことで中国の景気減速懸念も意識され11時過ぎには462円安の21,353円まで売られました。

その後日経平均は後場に下げ幅を305円安まで縮め節目の21,500円を回復する場面もありました。しかし、21,500円を小幅に上回ったところで上値を押さえられると再び下げ幅を広げ結局441円安の21,374円と安値圏で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに3日ぶりの反落となり、東証マザーズ指数は2%近い下落となりました。また、本日は3カ月に一度のメジャーSQで東証1部の売買代金は3兆1637億円まで膨らんでいます。

2.個別銘柄等

1株を4株に分割すると発表したユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)が分割による資金流入期待と既存株主による売りへの警戒から売り買い交錯となりました。昨日に4%高となっていたこともあって下げて始まりましたが、まもなくしてプラスに転じると一時3%高近くまで買われました。しかし、その後再びマイナスになると下げ幅を広げ4%以上下落する場面もみられました。結局0.7%安で取引を終えています。

また、寄り付き前に発表となった日銀短観で生産用機械のDIが悪化したことで半導体製造装置関連が売られました。東京エレクトロン(8035)が5.5%安となったほか、アドバンテスト(6857)が2.7%安、SCREENホールディングス(7735)も4.9%安となり、東京エレクトロンとSCREENホールディングスは年初来安値を付けました。生産用機械のDI悪化を受けて安川電機(6506)やファナック(6954)も安く、安川電機が4.2%安、ファナックが3.2%安となり、ファナックは年初来安値を更新しています。

かんぽ生命保険(7181)も4.1%安となりました。日本郵政(6178)が米保険大手のアフラック・インコーポレーテッド(AFL)に約3000億円を出資する方針を固めたと報じられるなか、かんぽ生命保険の保険販売に悪影響が出るとの懸念が出て売られました。日本郵政も1.1%安と下げています。

一方で11月の東京都心5区のオフィス空室率が月次データが残る2002年1月以来で最低となったことで三菱地所(8802)が1.5%高と堅調でした。経営再建中のジャパンディスプレイ(6740)も中国のファンドや企業から支援を受ける方向で交渉していると伝わったことで18円高の70円となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

2018年の取引も2週間を残すのみとなりました。こうしたなかで来週は18日-19日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)にマーケットの関心が集まりそうです。早期の利上げ打ち止め観測も出るなかFOMCがその期待を一段と後押しすることになるのか、それとも期待を後退させることになるかが年末の相場を左右しそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)