米国の景気楽観論が後退し始め、株価が大きく揺れています。日本市場にも大きな影響が出ているのはご承知の通り。フランスでは燃料税増税に対するデモ(結局政府は増税を先送りにしましたね)、イギリスはブレグジットで引き続き混乱しています。

日本では個人消費の盛り上がりに欠けたまま、景気拡大(判断)が続き、来年1月には戦後最長となることに。だからこそ消費税増税が予定通り来年実施ということなのですが、実際のところはその判断に不安を感じる要素が世界のそこかしこにあるというのが現状ですね。

そんな個人消費を少しでも盛り上げ、稼ぎたい民間の売り手は、実に様々な仕掛けを考え出します。昔からクリスマスやバレンタインデーというイベントは大切な稼ぎ時でありましたが、今やイベントの目白押しです。

最近のイベントで見ると…、
10月末のハロウィン。これも昔は日本では大きなイベントではなかったものの、見事に商業ベースに乗り、大きな経済効果のあるイベントになっています。

お隣り、中国の「独身の日」(11月11日)。こちらはネット大手のアリババの仕掛けで、中国では大セールの日となり爆発的人気に。ネット購入した品を配達員が破壊した云々のニュースが記憶に新しいですが、気が付けば今年は日本でも「独身の日セール」と銘打ってセールが開催されています。

11月第4木曜の感謝祭はアメリカでは大切な行事です。その翌日に大セールが行われ、多くの商店が黒字になる日ということで「ブラックフライデー」と呼ばれています。また、週明けの月曜日に感謝祭セールやブラックフライデーで買えなかったものをネットで買う人が多いのか、月曜日にはオンラインの売上が顕著に伸びるため「サイバーマンデー」と呼ばれます。こうした流れがクリスマス商戦へとつながり、米国では年間消費の大きな部分がここに費やされると言われるのですが…。

こうした経緯とは無関係に、日本ではアマゾンが12月の第2月曜日をサイバーマンデーと呼んだ上で、当日のみならず前後に渡ってセールを仕掛けています。アメリカの実際のサイバーマンデーと日にちが異なるのは、日本のボーナス支給月を狙っているせいだとか。

もう、こうなると名前の由来も何もあったものではなく、ひたすら何かしらの名前をつけたイベントで消費喚起しようというマーケティングだけですね。

この後はご存知、クリスマス、お正月、節分にバレンタインと洋の東西を問わず、一斉に仕掛けられてくるわけです。

こうしょっちゅうセールが開催されると、いつでも安く手に入るはずという気持ちになってきませんか?  商業主義的イベントが多くなればなるほど、個人が冷静になり、なかなか消費が伸びない、デフレ脱却できないということにつながるのではないでしょうか。消費者がセールを渇望しているところにドンと仕掛けられれば、もっとお財布のひもも緩くなるように思います(株式市場の不安定な状況が落ち着けば、ですけれど)。

私自身も物欲がだいぶ少なくなり、セールに燃えることもなくなったように感じる今日この頃です。