新卒で社会人になった時の友人、フィルと会いました。留年して学部を卒業した私に比べて、彼は飛び級して修士まで取っており、確か私と同い年だった筈です。ニューヨークのソロモンブラザーズで研修を受けた当時、彼はリーゼントのような髪型で、背も高く、濃紺のスーツが多い中で薄いグレーのチェックのゆったりとしたデザイナー系のようなスーツを着て、声も大きく活発で、身振りも発言内容も喋り方も、ちょっと乱暴というか、「ませたアンちゃん」のような奴でした。為替、次にコモディティのトレーダーとなり、トレーダーとして成功し、AIGのパートナーとして香港にもいたことがあります。何故か馬が合い、メールや最近ではSNSでずっと連絡は取ってきており、今回は6~7年ぶりに実際に会ったのでした。

彼は10年ほど前から風貌がすっかり変わり、ツルッとして、太り、かつてのやんちゃアンちゃんの面影はないのですが、ひとたび話すと、その喋り方も、云い回しも、内容も、そしてイタズラっぽい顔つきも、全て昔のままです。山っ気が強くて、リスクを取るのを厭わない、そしてちょっと不良っぽい思想を持つのも、全く変わっていません。二人とも、30年以上前のことを良く覚えていて、会話が弾みました。

コモディティトレーディングの専門家である彼は、数年前にビットコインについての論文のようなものを書き、それを読んで若者が彼にアプローチし、今は若者がやるブロックチェーン・ベンチャー企業をCFO兼COOとして手伝っています。三つ子の魂百までとは、良く云ったものです。ソロモンと云う会社は本当に面白い会社で、世界中から血の気の多い人間が集まっていました。昔話ではなく、現在進行形のエキサイティングな話を供給し続けられるようにしていこうと思ったのでした。