【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25027.07  ▼799.36 (12/4)
NASDAQ: 7158.43  ▼283.09 (12/4)

1.概況

米国市場は長短金利差が縮小し一部の年限で景気後退の前触れとされる長短金利の逆転(逆イールド)が起こるなか景気減速懸念が意識され急落となりました。73ドル安でスタートしその後も軟調に推移していたダウ平均は昼過ぎに急速に下げ幅を広げる展開となり引け間際には820ドル安近くまで売られました。結局ダウ平均は799ドル安の25,027ドルで取引を終え3日ぶりの反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も283ポイント安の7,158ポイントとなりこちらも3日ぶりに反落となりました。この結果ダウ平均が3%余りの下落となったほか、ナスダック総合株価指数も4%近い下げとなっています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業を除く10業種が下げました。そのなかでも金融と資本財・サービスが4%を超える下落となったほか、一般消費財・サービスと情報技術も4%近く下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。そのなかでもキャタピラー(CAT)が7%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、ボーイング(BA)とインテル(INTC)、ダウ・デュポン(DWDP)、JPモルガン・チェース(JPM)、アップル(AAPL)、ビザ(V)、アメリカン・エキスプレス(AXP)も4%を超える下落となっています。また、ゴールドマン・サックス(GS)も4%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、第4四半期の旅客収入が予想レンジの下限になるとの見通しを示したデルタ航空(DAL)が5%以上下げています。さらに決算で自然災害によるコスト増を理由に通期の1株利益の見通しを下方修正した1ドルショップのダラー・ゼネラル(DG)も7%近く下げました。一方で自動車部品小売大手のオートゾーン(AZO)が決算で既存店売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで7%近く上げています。高級家具販売のRH(RH)も決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで急伸し11%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.06%低い2.91%となりました。ドル円は円高に振れ112円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場の急落を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の22,000円を割り込んで大きく下げ幅を広げそうですが、朝方の売り一巡後に下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)