【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 24748.73  △108.49 (11/27)
NASDAQ: 7082.70  △0.85 (11/27)

1.概況

米国市場は今週末に予定されている米中首脳会談への期待から続伸となりました。トランプ米大統領が米中首脳会談の結果次第で中国からの輸入品すべてに関税を課す意向を示したことで83ドル安と下落してスタートしたダウ平均はまもなくして224ドル安まで売られましたが、米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長が米中首脳会談が中国との通商問題の解決に向けた機会になるとの見解を示したことで徐々に持ち直すと午後に入ってプラスに転じ引け間際に上げ幅を三桁に広げました。結局ダウ平均は108ドル高の24,748ドルとほぼ高値引けで取引を終えています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も0.8ポイント高の7,082ポイントとなっています。

2.経済指標等

11月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は135.7と前月から低下し市場予想も下回りました。また、9月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で主要20都市圏の住宅価格指数も前年同月比5.1%上昇に止まり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、ヘルスケアと生活必需品が1%近く上昇しました。一方で3業種が下げ、素材が1%を超える下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、ホームデポ(HD)が2%を超える上昇となりました。一方でユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)が会社を3事業に分割すると発表したことや通期の1株利益の見通しを下方修正したことなどで4%以上下落しダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、アップル(AAPL)もトランプ米大統領が中国製品への追加関税についてiPhoneも対象になる可能性を示唆したことで小幅に下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、製薬のブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)が肺がん治験で有効な結果が得られなかったと発表したことで3%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの3.05%となりました。ドル円は113円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の22,000円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)