東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は556円高の2万2243円と大幅に反発しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。

昨日の米国市場で主要指数が上昇したことを受け、日経平均は73円高の2万1761円と小幅に反発して寄り付きました。トランプ大統領が中国は貿易戦争の解決を望んでいると発言したと伝わったことで貿易戦争の解決への期待が高まり、日経平均は寄り付き後に上げ幅を大きく広げるとまもなく2万2000円の節目を回復する場面がありました。その後やや上げ幅を縮めた日経平均は前場を266円高で終えました。

日経平均は後場に入るとやや上げ幅を縮める時間帯がありましたが、トランプ大統領が中国との貿易についての合意案の草案を作成するよう関係閣僚に指示したと伝わると日経平均は急速に上げ幅を広げました。一時は620円高をつける場面もあった日経平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの556円高の2万2243円で取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆5672億円と商いが膨らみました。

東証33業種は4%を超える上昇となった機械や海運業を始めとした25業種が上昇しました。一方で5%近く下げたパルプ・紙など8業種が下げています。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は大幅高となる銘柄が目立ちました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が5%近く上げたほか、ファーストリテイリング(9983)が4.3%、キーエンス(6861)が11.3%、ファナック(6954)が5.9%、東京エレクトロン(8035)が6.9%とそれぞれ大幅高となりました。キーエンスは決算が堅調だったほか、配当予想をこれまでの2倍に引き上げたことが好感されました。昨日大きく下げた通信各社もKDDI(9433)が2%強、NTT(9432)は7%弱、NTTドコモ(9437)は4.5%高とそれぞれ反発しました。一方でトヨタ自動車(7203)が小幅に下げたほか、ソニー(6758)や村田製作所(6981)も下落しました。

その他材料が出たところでは、台湾で起きた特急列車の事故に関連し、車両に設計ミスがあったと発表した日本車輌製造(7102)はストップ安となりました。一方でハウス食品グループ本社(2810)は7-9月の決算が堅調だったことや今期の業績予想や配当予想を引き上げたことが好感され15%近い大幅高となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は貿易戦争の解決に向けた期待感が高まり大幅高となりました。ただ、日経平均の上昇率2.6%に対しTOPIXは1.6%と日経平均の上昇率は顕著で、一部値がさ株の影響が大きいと言えます。昨日の米国市場の取引終了後に発表されたアップル(AAPL)の決算はやや物足りない内容で時間外取引でアップルの株価は下落しました。貿易戦争解決に向けた期待とアップル決算の失望のどちらに今夜の米国市場が反応するか注目されます。

また、日本時間今夜21時30分に米雇用統計が発表されます。特に平均時給の前年比上昇率が注目されています。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)