いよいよ、来年10月から消費税の税率が10%に引き上げられます。

株価が乱高下する中での宣言となりましたが、過去2度も延期されているだけに大きな反発はないようですね。

過去の増税時と異なり、今回は軽減税率の導入により現状の8%に据え置かれるものがありますが、現時点では詳細が詰められていないため、複雑なケースも想定されています。特に食品購入、中食、外食の区別があいまいな形態が多く、線引きが難しく小売店を悩ませています。

消費税率増税となると、住宅や自動車といった大きな買い物については、2%の差は結構な金額になるため、慌てる方もいるかもしれません。過去の増税時も増税前の駆け込み需要がありました。ただ、ご記憶に新しいと思いますが(消費税5%が8%になったのは2014年、4年前のことですので)、増税後に需要が落ち込む傾向もあります。

今回、政府はこうした冷え込みへの対策を事前に講じようとしているため、増税後に特例の拡充等税金面でのメリットが押し出されたり、「消費税還元セール」(過去においてはこの名称を使うことは禁じられていましたが、感謝セール等は行われました)等、2%の増税分を超える金額的プラス面が出てくる可能性が高いです。

また、住宅に関して言えば、増税(2019年)の翌年には2020年東京五輪が控えています。その五輪景気もあって住宅市場では一部高値推移をしていますが、こちらも五輪後には値下げ等価格下落があるのではないかと、推測されています。2%の増税より、税制改正および五輪後の市場動向を見る方が金額的にはメリットがあるかもしれません。

自動車については、来年の消費税増税時に自動車取得税が廃止されて、新しく「環境性能割」(燃費課税)が導入される予定となっています。

これは燃費性能の良い車は税負担を軽くし、燃費性能の悪い車は税負担を重くするという税金で、現在のエコカー減税と似たような制度です。環境性能の高い車であれば導入後の取得時の税金は現在と同等か少し減税になるという試算もあります。導入を一時停止する案、排気量の小さい車の自動車税を一定期間免除する案なども検討されているようですね。

ただ、注意していただきたいのは、こうした大きな買い物は税率がどうなるかで行うべきものではないということです。元々この1~2年の間に住宅や自動車の購入や買い替えを予定しているというのであれば、もちろん上記の内容を参考にしていただきたいですが、人生の中での大きな買い物は個々人のライフプランに基づくマネープランが最初にあるべきです。

出産や育児、教育、老後資金等々とのバランスとタイミングは人によって異なります。無理をして大きな買い物(出費)を前倒しにすれば、他の必要資金にしわ寄せがくることは十分考えられます。

制度や税金の変更で慌てることもあるかと思いますが、まずは自分自身の状況と希望を鑑み、将来において不安をもたないようにリスクを最小限にするためのプランを立てるようにしましょう。焦りは禁物です。