東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は米長期金利の上昇を懸念した売りでの米国市場の急落を受けて大きく下落し、日経平均の下げ幅は今年3番目の大きさとなりました。462円安の23,043円で寄り付いた日経平均は売り気配でスタートした銘柄が順次寄り付くなかで下げ幅を広げまもなくして800円安余りまで下落しました。その後一旦660円安程度まで持ち直しましたが再び下げ幅を広げ前場は914円安の22,591円で取引を終えました。日経平均は後場に入ってさらに一段安となりました。14時半前に1,047円安の22,459円まで下落する場面もあった日経平均は大きく持ち直すことなく安値圏で推移すると結局915円安の22,590円で取引を終えています。
こうしたなかで東証1部の売買代金は3兆7587億円まで膨らみました。また新興市場も大きく下げ、東証マザーズ指数が4.8%安、日経ジャスダック平均が2.2%安となり、ともに年初来安値を下回る場面もありました。
2.個別銘柄等
ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)傘下のユニーの完全子会社化を発表したドンキホーテホールディングス(7532)が急伸しました。ユニー・ファミリーマートホールディングスが1株6,600円でドンキホーテホールディングスに対する株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表したこともあって10.4%高となり年初来高値を更新しました。一方でユニー・ファミリーマートホールディングスは5.6%安となっています。
また、昨日の取引終了後に堅調な上期決算を発表したエービーシー・マート(2670)やイオンモール(8905)が買われ、エービーシー・マートが8.3%高、イオンモールが5.0%高となっています。
反対に上期決算を受けて売られたのが安川電機(6506)で、通期の業績予想を下方修正したことや、主力製品の受注が第2四半期に大きく落ち込んだことなどが嫌気され6.1%安となりました。さらに同じく昨日の引け後に決算を発表したサイゼリヤ(7581)も2018年8月期の営業利益が2割を超す大幅な減益となったことから8.9%安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は一時1,000円以上下げ200日移動平均線(22,508円)を割り込みましたが、引けでは維持して取引を終えています。明日以降も下げる局面では200日移動平均線が試される場面もありそうですが、日経平均は200日移動平均線を下回ると早期に回復する展開が今年に入って何度かみられてきただけに仮に200日移動平均線を割り込んだ場合には今回も時間をかけずに回復できるかがポイントとなりそうです。また、米長期金利の動向が焦点となるなか今晩は9月の米消費者物価指数(CPI)の発表が予定されています。米長期金利の米CPIに対する反応が注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)