【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26627.48  ▼200.91 (10/4)
NASDAQ: 7879.51  ▼145.58 (10/4)

1.概況

米国市場は長期金利の上昇が嫌気され大幅反落となりました。ダウ平均は44ドル安でスタートすると大きく下げ幅を広げ午後に356ドル安まで下落しました。その後引けにかけて持ち直したものの結局200ドル安の26,627ドルと6日ぶりに反落して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も145ポイント安の7,879ポイントとなり2%近い大幅下落となっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比8000件減の20万7000件となり市場予想を上回る改善となりました。また、8月の米製造業受注も前月比2.3%増となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、情報技術と一般消費財・サービス、通信サービスが1%を超える下落となったほか、ヘルスケアも1%近く下げています。一方で金融と公益事業が上げています。

4.個別銘柄動向

金利上昇が相場の重石となるなかバリュエーション面に割高感のある主力ハイテク株の下げが目立ちました。目標株価の引き下げが相次いだこともあって写真・動画共有アプリ運営のスナップ(SNAP)が5%以上下落したほか、ネットフリックス(NFLX)も3%を上回る下げとなりました。さらにグーグルの持ち株会社のアルファベット(GOOGL)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)、フェイスブック(FB)も2%を超える下落となり、アップル(AAPL)も2%近く下げています。また、バイオ関連株も安くセルジーン(CELG)やギリアド・サイエンシズ(GILD)が3%以上下げています。一方で決算で売上高と1株利益が市場予想を上回った酒類販売のコンステレーション・ブランズ(STZ)が5%以上上げています。製薬大手のイーライ・リリー(LLY)も糖尿病の治療薬の臨床試験で高い効果が確認できたと発表したことで4%高となりました。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの3.18%となりました。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が中立金利について現状はおそらくまだ長い距離があると述べたと伝わったこともあって一時は3.23%とほぼ7年4ヶ月ぶりの高水準を付ける場面もありました。ドル円は円高に振れ113円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安と円高を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか朝方の売り一巡後に日経平均が下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)