PORTFOLIO OVERVIEW( 26 Mar 2018)

今週もドルのネット・ポジションは大幅なショート。とは言え、過去2週に比べればショート幅は縮小した。その主な理由は、米国の成長ファクターが他の国(特にユーロとスイス)と比較して改善したからである。またドルは割高感が大きく減少した。過去1年にわたるドル安も加わって、ドルは「買い」ではないものの、大きく「売る」ような状況でもない。

米国の成長ファクターは前週のややネガティブから、相対的に基本ニュートラルになった。ユーロ圏のデータは完全にネガティブで、成長のピークは過ぎたとの見方から投機売りにつながるだろう。この観点ではユーロはスウェーデンに次ぐ位置にあるかもしれない。成長力はまだ高いが、数年に及んだピークからは減速している。

スイスフランは今週もニュートラル。ユーロ圏同様、スイスも減速し1~3カ月のスパンではネガティブなモメンタムとなっている。

先日、新しいFRBの議長、パウエル氏がFOMCデビューを飾ったが、彼のメッセージは過去を踏襲したもので、サプライズはまったくなかった。変化を起こすような人物はFRBの議長には選ばれないのだろう。ドットプロットに変化はあったが、米国の政治的な奔流とも言えるうねりに飲み込まれ、実際に為替レートにどのような影響があったのかがかき消されてしまった。世界経済は利上げに耐えうるほど強くないかもしれないという懸念も反映されたはずだが、なにしろ米国政治のドタバタ劇で、パウエル氏のデビューというFOMCの意味がだいぶ薄れてしまったようである。

FX-1 STRATEGY Current Portfolio as of 26 Mar 2018

「+」の符号はその通貨のロング(買い持ち)を、「-」の符号はショート(売り持ち)を示す

現在のポートフォリオ
(Mar 26)
豪ドル
AUD
ユーロ
EUR
英ポンド
GBP
NZドル
NZD
カナダドル
CAD
スイスフラン
CH
日本円
JPY
ノルウェークローネ
NOK
スウェーデンクローナ
SEK
成長要因 +16.4 +7.7 +5.3 -20.9 -6.3 +0.6 +7.4 +12.5 -22.9
キャリー 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
バリュエーション -8.0 -7.7 +8.9 -10.6 -2.1 -18.8 +10.4 +18.8 +14.6
グローバル・リスク 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
ポジション調整 -13.9 +14.4 -2.8 +16.2 -4.8 +19.2 +8.5 -23.7 +2.9
最終ウェイト -5.6 +14.4 +11.3 -15.2 -13.2 +1.0 +26.4 +7.6 -5.4

ネットUSD(米ドル)ウエイト:-21.3

前回のポートフォリオ
(Mar 19)
豪ドル
AUD
ユーロ
EUR
英ポンド
GBP
NZドル
NZD
カナダドル
CAD
スイスフラン
CH
日本円
JPY
ノルウェークローネ
NOK
スウェーデンクローナ
SEK
成長要因 +14.4 +17.2 +4.2 -20.1 -0.9 +13.0 +7.5 -0.5 -22.2
キャリー 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
バリュエーション -7.9 -7.6 +14.4 -10.4 -2.1 -18.5 +6.2 +18.5 +14.4
グローバル・リスク 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
ポジション調整 +3.5 +4.9 +4.5 +12.1 +0.6 +6.3 +3.6 -8.8 +3.5
最終ウェイト +10.0 +14.5 +23.1 -18.5 -2.4 +0.7 +17.3 +9.2 -4.3

ネットUSD(米ドル)ウエイト:-49.7

ヘルプ

表の見方について広木が動画(約12分)で解説しています。

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DeepMacro FX-1 Strategy 通貨モデルの説明