個別元本
個別元本とは、投資家が
投資信託
投資信託投資信託とは、多くの投資家から資金を集めて、その資金をプロの運用会社が株式や債券などのさまざまな金融商品に投資し、その運用成果を投資家に分配する仕組みです。
投資家は投資信託の証券(通常は「口」と呼...
を購入した際の購入価格(
基準価額
基準価額基準価額とは、投資信託などの運用資産の値段のことです。具体的には、投資信託の純資産総額をその投資信託が発行している口数で割ったもので、1口あたりの価値を表します。
投資家が投資信託を購入または売却す...
)を指します。これは、投資信託の収益がどのように課税されるかを決定する際の基礎となります。この制度は、投資家ごとに投資時の基準価額を元本として認識し、税金計算の公平性を保つために設けられました。
個別元本制度の導入前は、すべての投資家の平均購入単価を元本とする「平均信託金」方式が使われていましたが、各投資家の実際の購入価格を基に課税する現在の方式に変更されました。投資信託を一部解約しても、個別元本は変わりませんが、追加で購入すると新たな平均価格が計算され、それが新しい個別元本となります。また、特別
分配金
分配金分配金とは、投資信託や株式などの金融商品から得られる利益の一部を、投資家に対して配るお金のことです。たとえば、投資信託の場合、その信託が保有する資産(株式や債券など)から得られる配当金や利息を、投資家...
を受け取ると、受け取った分だけ個別元本が減少します。
この制度により、投資信託を複数回にわたり購入した場合でも、それぞれの購入時点での価格が明確に管理され、税金計算時の不公平を防ぐことが可能になります。