1.概況
本日の日本市場は昨日の米国市場が小幅な下落に止まるなかドル円が111円台前半まで円安に振れたことで上昇となりました。73円高の22,484円で寄り付いた日経平均は上げ幅を三桁に広げ10時過ぎに107円高まで上昇しましたが、節目の22,500円を20円近く上回ったところで上値を押さえられると22,500円をまもなくして下回り前場は77円高の22,488円で取引を終えました。22,509円と22,500円をわずかに上回ってスタートした後場は上げ幅を広げるなか14時ごろから一段高となると190円高の22,601円と4日続伸となりほぼ高値引けで取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに3日続伸となり、東証マザーズ指数は2%近い上昇となっています。
2.個別銘柄等
公正取引委員会がこれまで難色を示してきた経営統合を承認すると決定したとの報道を受けて十八銀行(8396)とふくおかフィナンシャルグループ(8354)が買われました。十八銀行が7.7%高と大きく上げたうえ、ふくおかフィナンシャルグループも2.4%高となりました。また、再編への思惑から他の地銀株にも買いが入り、百五銀行(8368)や北国銀行(8363)なども2%を超える上昇となっています。さらにインバウンド需要を取り込みホテル事業の営業利益が前期比15%増の82億円となり、寮事業の営業利益を初めて超える見通しと伝わった共立メンテナンス(9616)が4.7%高となったほか、洋菓子事業の営業損益が2021年12月期に19期ぶりに黒字転換する見通しと伝わった不二家(2211)も3.5%高となりました。リゾートトラスト(4681)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて4.5%高と大きく上げています。一方で8月の既存店売上高が前年同月比で5.6%減となったしまむら(8227)が投資判断の引き下げもあって3.7%安と大きく下げました。千代田化工建設(6366)も目標株価の引き下げを受けて6.1%安となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
昨日に200日移動平均線を回復した日経平均はさらに値を伸ばす展開となり、200日移動平均線をしっかりとキープしました。そのため調整局面で200日移動平均線を割り込みながら早期に回復しその後戻り歩調となった3月と7月と同様の展開になりつつあるといえそうで、一目均衡表の雲や25日移動平均線、75日移動平均線なども抜けてきたことで上値余地が広がる格好となっていることから来週以降の展開に期待が持てそうです。また、今晩はジャクソンホール会議でパウエルFRB議長による講演が予定されており注目を集めそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)