NYダウ: 25558.73  △396.32 (8/16)
NASDAQ: 7806.52  △32.41 (8/16)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は米中貿易協議が再開されると伝わったことで米中貿易摩擦への懸念が後退し反発しました。132ドル高でスタートしたダウ平均は取引開始直後から大きく上げ幅を広げると午後には444ドル高まで買われました。ダウ平均は引けにかけて利益確定の売りにやや押されたものの結局396ドル高の25,558ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も32ポイント高の7,806ポイントとなりました。

2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2000件減の21万2000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。一方で7月の米住宅着工件数は年率換算で前月比0.9%増の116万8000戸に止まり市場予想を下回っています。8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数も11.9と前月から低下し市場予想を下回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも電気通信サービスが2%高となったほか、生活必需品と金融、資本財・サービス、公益事業が1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。そのなかでも決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったウォルマート・ストアーズ(WMT)が9%以上上昇し、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、米中貿易協議が再開されると伝わったことでボーイング(BA)が4%を上回る上昇となったほか、キャタピラー(CAT)も3%を超える上昇となり、ウォルマート・ストアーズとボーイング、キャタピラーの3銘柄でダウ平均を180ドル以上押し上げています。さらに決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったシスコシステムズ(CSCO)も3%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、物言う株主として知られるファンドから株主総会で5人の取締役候補を提案するとの通知を受けたと発表したウイルス対策ソフトのシマンテック(SYMC)が収益改善に向けた経営改革が進むとの期待から4%以上上げています。一方で決算で売上高が市場予想を下回り、通期の1株利益予想も下方修正した百貨店大手のJCペニー(JCP)が急落し27%近く下げています。

5.為替・金利等
長期金利は変わらずの2.86%となりました。ドル円は110円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が上値を伸ばし200日移動平均線(昨日時点で22,395円)を試すような展開をみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)