1.概況
本日の日本市場は反落となりました。12円高と小動きで寄り付いた日経平均は昨日に500円近くも上昇したこともあって上値が伸び悩むと取引開始10分後にマイナスに転じ11時過ぎには111円安まで売られました。その後やや下げ幅を縮め前場の取引を85円安で終えた日経平均ですが、トルコが自動車やアルコールなど一部の米国製品に追加の輸入関税を課す方針と伝わったことや中国株が下げ幅を広げたことなどで後場に一段安の展開となりました。144円安でスタートした後場はさらに下げ幅を広げ13時10分過ぎに245円安の22,110円まで下落した後やや持ち直したものの結局151円安の22,204円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で、東証マザーズ指数は2%安となり13日に付けた年初来安値を更新しています。

2.個別銘柄等
昨日の取引終了後に決算を発表した銘柄に対照的な動きがみられました。沢井製薬(4555)が第1四半期の営業利益が11%増益となったことで3.5%高となったほか、東証2部のラオックス(8202)も上期(1-6月期)決算で最終損益が黒字に転換したことで買われ5.5%高となりました。反対に出光興産(5019)は昨日発表した決算で通期の業績予想を上方修正しましたが、このところ株価が水準を切り上げていたこともあって一旦材料出尽くしとなり2.7%安となりました。さらに東証マザーズのCYBERDYNE(7779)が急落し14.7%安となりました。第1四半期の決算が引き続き赤字だったうえに、売上高が減収となったことも嫌気され売りがかさみました。投資判断や目標株価の引き下げが材料になったのが古河電気工業(5801)や太平洋セメント(5233)で、古河電気工業は投資判断と目標株価の引き下げを受けて5.5%安となり、太平洋セメントは目標株価の引き下げを嫌気して4.8%安となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の日経平均は小幅に上昇して始まりましたが200日移動平均線(22,393円)を前に上値が伸び悩むとまもなくして下落に転じ下げ幅を広げる展開となりました。トルコ情勢への警戒感などが依然として相場の重石となるなかしばらくは上値の重い展開が続く可能性もありますが、こうしたなかで明日以降も戻りを試す場面では日経平均が本日抜けなかった200日移動平均線を超えられるかがまずはポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)