1.概況
本日の日経平均は300円安の2万2298円と大幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。中でもマザーズ指数は2.4%の大幅安となっています。昨日の米国市場で主要指数が高安まちまちで材料になりにくいなか、日経平均は8円高と横ばい圏で寄り付きました。日経平均は寄り付き直後に10円高をつけましたがそこが1日の高値になるとすぐにマイナスに転じて下げ幅を広げる展開となりました。前場を104円安で終えた日経平均は後場に入ってしばらくは前場終値近辺で推移していましたが、14時過ぎから大きく下げ幅を広げる展開となり一時は325円安まで下落しました。日経平均は結局300円安と1日の安値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆6162億円となりました。東証33業種は石油石炭製品のみ上昇し残る32業種は下げました。中でも鉱業や海運業、不動産業、保険業など景気敏感セクターが大きく下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下げました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が3.5%安となったほか、任天堂(7974)、東京エレクトロン(8035)、ファーストリテイリング(9983)、トヨタ自動車(7203)、ファナック(6954)、資生堂(4911)、東海カーボン(5301)がいずれも下落しています。材料が出たところでは1000億円を上限とする自社株買いを行うと発表した富士フイルム(4901)が3.5%高となりました。一方で、上場後初の決算発表を行ったフリーマーケット運営のメルカリ(4385)は業績が低調との評価から11%近い大幅安となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
引き続き貿易戦争への不透明感が強く、日経平均は大きく下落しました。また、15時を過ぎてからトルコリラが急落しました。一部英国メディアで、欧州の金融当局がトルコリラの急落を受け欧州銀行の資産状況を懸念していると報じられたことが材料となったようです。このようなリスク要因が多い中では日本株の本格上昇はなかなか難しそうで、まずは日経平均が2万2000円の節目を保てるかどうかが注目されます。

マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕