1.概況
本日の日経平均は12円高の2万2525円と小幅に上昇しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、新興市場のマザーズ指数など日経平均以外の主要指数はいずれも下落しました。中でもマザーズ指数は1.4%安と大きく下落しました。昨日の米国市場でナスダック総合指数が大きく上昇したことを受け、日経平均は73円高の2万2585円と反発して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に100円高まで上昇しましたが上値は重く、その後は徐々に上げ幅を縮めました。前場を32円高で終えた日経平均は後場に入ると昨日の終値を挟んだ狭い値幅でのもみ合いとなりました。日経平均は結局12円高と小幅に上昇して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆3264億円となりました。東証33業種は精密機器や石油石炭製品、鉱業など6業種が上昇しましたが食料品や海運業、鉄鋼、銀行業など27業種が下落しました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)が小幅に上昇したほか、スズキ(7269)、ファーストリテイリング(9983)、東京エレクトロン(8035)、パナソニック(6752)が上昇しました。中でも第1四半期の決算が大幅な増収増益だったスズキは8%超の大幅高となり上場来高値を更新しています。一方で取引時間中に決算発表を行ったトヨタ自動車(7203)や三菱UFJ(8306)、ソフトバンクグループ(9984)、ソニー(6758)、三井住友(8316)が下げています。トヨタ自動車は増収増益の決算を発表しましたが、取引終盤にやや下げ幅を広げました。その他材料が出たところでは、本日の13時半に決算発表を行った三菱重工業(7011)が2%近く上昇しました。営業利益が前年同期の4倍近くなるなど好調な決算が評価され発表後に大きく上昇しました。一方で4-6月の3ヶ月の営業利益が前年同期比15%減と低調だった山崎製パン(2212)は17%近い大幅安となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均はわずかに上昇しましたが東証1部の値上がり銘柄数435に対し値下がりが1,609と値下がりが多数となっていることからも本日の日本市場は軟調だったと言えるでしょう。日本時間今夜21時半に米雇用統計が発表されます。雇用者数や賃金などいずれも堅調な内容が予想されています。来週は日本企業の決算発表がピークを迎えます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)