NYダウ: 25306.83 ▼144.23 (7/30)
NASDAQ: 7630.01 ▼107.41 (7/30)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はハイテク株への売りが止まらず続落となりました。朝方は50ドル高近くまで買われる場面もあったダウ平均ですがしばらくして売りが優勢になると下げ幅を広げる展開となりました。昼過ぎに140ドル安まで売られた後に一旦50ドル安程度まで持ち直しましたが、引けにかけて再び下げ幅を広げると引け間際には163ドル安まで下落しました。結局ダウ平均は144ドル安の25,306ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も107ポイント安の7,630ポイントとなり25日に史上最高値を付けた後3日連続で1%以上の下げとなっています。
2.経済指標等
6月の中古住宅販売仮契約指数は前月比0.9%上昇の106.9となり市場予想も上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、情報技術が2%近く下落したほか、資本財・サービスも1%近く下げました。一方で4業種が上げ、電気通信サービスは2%近く上昇しています。
4.個別銘柄動向
ハイテク株への売りが続くなか先週末に急落したツイッター(TWTR)が8%安となったほか、フェイスブック(FB)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)、グーグルの持ち株会社アルファベット(GOOGL)も2%前後の下げとなっています。ネットフリックス(NFLX)もウォルマート・ストアーズ(WMT)が動画配信事業に乗り出すと伝わり競争激化への懸念から6%近く下げています。また、海外決済の為替レートを顧客に無断で変更していたと伝わったことでアメリカン・エキスプレス(AXP)も3%近く下げました。同業のビザ(V)にも売りが波及し、3%余り下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。食肉大手のタイソン・フーズ(TSN)も通期の利益見通しを下方修正したことで7%を超える下落となりました。一方で目標株価の引き上げを受けて半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が2%以上上昇しました。AT&T(T)も投資判断の引き上げを好感して3%近く上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%高い2.97%となりました。ドル円は111円近辺で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか本日は昼ごろに日銀の金融政策決定会合の結果が発表されますが、ETFの購入方法や長期金利の誘導目標など政策に何かしら変更があるのではとの見方もあることからマーケットの反応が注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)