1.概況
本日の日本市場は円安と昨日の米国市場でダウ平均が続伸となったことを受けて上昇しました。59円高の22,646円で寄り付いた日経平均は10時20分ごろから上げ幅を広げ103円高の22,689円まで買われましたが、ドル円がやや円高に振れたこともあって11時には6円高まで弱含みました。しかし、マイナスになることなくなんとか踏み止まると持ち直し、後場に入って再び上げ幅を三桁に広げると引けにかけて一段高となり結局125円高の22,712円と高値引けで取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで、東証マザーズ指数が小幅に反発した一方で、日経ジャスダック平均は5日ぶりに小幅反落となっています。
2.個別銘柄等
決算発表が本格化するなか昨日の引け後に発表した決算に大きく反応する銘柄がみられました。第1四半期の営業利益が大幅な増益となった日立金属(5486)や富士電機(6504)、スタンレー電気(6923)が買われ、日立金属が7.5%高、富士電機が6.0%高、スタンレー電気が4.8%高となりました。また、オムロン(6645)は営業減益となったものの、200億円を上限とする自社株買いが好感され0.4%高と小幅に上昇しました。二桁営業増益の決算とともに125億円を上限とした自社株買いを発表したメルコホールディングス(6676)も7.6%高となっています。一方で小糸製作所(7276)が3.8%安となりました。通期の営業利益の見通しを上方修正しましたが、営業減益となったことで売られました。決算以外の材料では国内大手証券が投資判断を引き上げたことでシャープ(6753)が3.3%高となったほか、国内大手証券が強気の投資判断を付けたことでフリーマーケットアプリのメルカリ(4385)も2.7%高となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
マーケットでは今晩から来週にかけて重要イベントが目白押しです。今晩には高い成長が見込まれている4-6月期の米GDPが発表されるほか、31日には大規模緩和策を修正するのではとの観測が絶えない日銀の金融政策決定会合の結果が発表されます。さらに31日から8月1日にかけて米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるうえ、3日には米雇用統計の発表も控えています。さらに米国ではキャタピラー(CAT)やアップル(AAPL)が決算を発表する予定で、日本企業の決算発表も31日に前半戦のピークを迎えます。こうしたなかでマーケットも大きく動く可能性がありますが、仮に日経平均が節目の23,000円を試す展開となった場合には5月以降三度に渡って頭を押さえられただけに23,000円をしっかりと抜けてくることができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)