NYダウ: 24924.89 △224.44 (7/12)
NASDAQ: 7823.92 △107.31 (7/12)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はムニューシン米財務長官が中国との通商問題について中国側に構造的な変革を行う意思がある場合、米国は交渉を再開する可能性があるとの考えを示したことで米中貿易摩擦激化への過度な懸念が後退し反発しました。ダウ平均は102ドル高でスタートすると上げ幅を広げ昼過ぎに240ドル近くまで買われました。その後も大きく押すことなく堅調に推移したダウ平均は結局224ドル高の24,924ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も107ポイント高の7,823ポイントとなり6月20日に付けた史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
6月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.9%上昇し2012年2月以来6年4カ月ぶりの高い伸びとなり市場予想と一致しました。変動の激しいエネルギーと食品を除いたコア指数も前年同月比2.3%上昇しこちらも市場予想と一致しています。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万8000件減の21万4000件となり市場予想を上回る改善となりました。さらに6月の米財政収支は750億ドルの赤字となりましたが、赤字額は市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品を除く10業種が上げました。そのなかでも情報技術と資本財・サービス、ヘルスケアが1%を超える上昇となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでもシスコシステムズ(CSCO)とインテル(INTC)、マイクロソフト(MSFT)が2%を超える上昇となり、マイクロソフトは上場来高値を付けています。ダウ平均構成銘柄以外でもフェイスブック(FB)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も2%以上上げ上場来高値を付けています。また、半導体大手のブロードコム(AVGO)による買収で合意したと発表したソフトウエア開発大手のCAテクノロジーズ(CA)が買収価格にさや寄せする格好で急伸し19%近く上げました。ブロードコムは投資判断や目標株価の引き下げが相次いだことで急落し13%以上下げています。また、女性向け衣料・雑貨のエル・ブランズ(LB)も既存店売上高の伸びが鈍化したことが嫌気され12%安と急落しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い2.84%となりました。ドル円はさらに円安が進み112円台半ばで推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株高と円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(昨日時点で22,328円)を上回れるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)