1.概況
本日の日経平均は492円安の2万1811円と大幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数はいずれも大幅安となりました。先週末の米国市場で主要指数が小幅高にとどまり新たな買い材料に乏しい中、日経平均は70円安の2万2233円と反落して寄り付きました。前場の日経平均は小幅なマイナス圏で推移し、一時はプラスに転じる場面もありました。前場を33円安で終えた日経平均ですがメキシコの大統領選で対米強行派とされるポピュリスト候補が勝利し、ダウ平均先物が下落したことを受け後場寄りから大きく下げ幅を広げました。日経平均は後場寄り後もほとんど反発することなく右肩下がりの展開となり、引け間際に一時は520円安をつける場面がありました。結局日経平均は492円安と大幅に反落し1日の安値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆2992億円と500円近く下げた割には少ない印象です。東証33業種は全業種が下落しました。中でもゴム製品、小売業、食料品、陸運業が3%を超える下げとなり、特に内需ディフェンシブセクターの下げが目立ちました。なお取引開始前に発表された日銀短観は大企業製造業の業況判断が前回から低下するなど、ほぼ市場予想と近い結果でした。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下げた銘柄が多くなりました。売買代金トップのトヨタ自動車(7203)が1.4%安となったほか、任天堂(7974)、ソニー(6758)、ファーストリテイリング(9983)、東海カーボン(5301)、資生堂(4911)、三菱UFJ(8306)、武田薬品工業(4502)がいずれも下落しました。中でも資生堂は6.3%の大幅安となりました。その他材料が出たところでは、ファッション小売のアダストリア(2685)が14%近く急落しました。第1四半期の売上高が前年同期比4.9%減で、営業利益は前年同期比70%近く減少するなど冴えない決算が嫌気されました。また、第1四半期が営業減益だった調剤併設型ドラッグストアのスギホールディングス(7649)も9%超の大幅安となりました。一方で日本郵船(9101)が支援先の有力候補であると報じられた日本海洋掘削(1606)はストップ高となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は500円近い大幅安となりました。メキシコ大統領選やダウ先物の急落が材料になった面はあるにせよ、ドル円は110円台後半で推移しており売られ方がやや行き過ぎの印象です。結局今夜の米国市場次第となりますが、明日の反発を期待したいところです。今週は本日発表されるISM製造業景況指数や雇用統計など米国で重要指標が発表されるほか、米中両国の追加関税の発動が予定されています。特に追加関税を巡る米中の駆け引きに反応する神経質な展開が予想されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)