1.概況
本日の日経平均は176円安の2万2516円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要指数が下落したこと、ドル円が110円を割り込む水準まで円高に振れたことが嫌気され日経平均は236円安の2万2456円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後まもなく278円安と1日の安値を付けましたがその後は徐々に値を戻し、前場を192円安で終えました。日経平均は後場に入って一時は前場の安値近辺まで値を下げましたがその後は再び徐々に値を戻しました。日経平均は結局176円安と反落しましたが、1日の中では高値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆6688億円となりました。東証33業種は水産・農林業、倉庫運輸関連、鉄鋼、陸運業、ゴム製品、化学の6業種のみが上昇し残る27業種は下げました。中でも輸送用機器やパルプ・紙、保険業、鉱業の4業種は1%以上下落しました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下げた銘柄が多くなりました。売買代金トップのトヨタ自動車(7203)が3%近く下げたほか、任天堂(7974)、ソフトバンクグループ(9984)、三井住友(8316)、マネックスグループ(8698)、ファーストリテイリング(9983)がいずれも下げています。昨日欧米市場で自動車株の一角が売られた流れを受け、自動車はトヨタ以外にも売られた銘柄が多く、ホンダ(7267)、SUBARU(7270)、マツダ(7261)、日産自動車(7201)がいずれも下げています。一方で三菱UFJ(8306)、JT(2914)はそれぞれ上昇しました。その他材料が出たところでは、ジャパンディスプレイ(6740)が5%近い大幅高となりました。ひふみ投信などを運用するレオス・キャピタルワークスがジャパンディスプレイの株式を5.62%保有していることが判明し買いが集まりました。また、国内証券が強気の投資判断でカバレッジを開始した製薬会社のあすか製薬(4514)も8%近い大幅高となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
米中の貿易戦争深刻化への不安は根強く、日経平均は反落しました。来週も貿易戦争問題の進展を見極めながらの推移となりそうです。また、本日から明日にかけて石油輸出国機構(OPEC)の総会が行われます。協調減産の緩和を主張する国がある一方でそれに反対する国もあるなど、どのような結論となるか不透明で同総会の結果を受けた原油先物価格の反応も注目材料と言えそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)