NYダウ: 25090.48 ▼84.83 (6/15)
NASDAQ: 7746.38 ▼14.66 (6/15)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国市場はトランプ米政権が中国製品への追加関税の発動を表明したことで米中貿易摩擦が激化するとの懸念から下落しました。取引開始から1時間余りで280ドル安まで売られたダウ平均はその後も安値圏で軟調に推移しましたが、節目の25,000ドルを割り込んだこともあって取引終盤に押し目買いが入り大きく持ち直すと結局84ドル安の25,090ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も14ポイント安の7,746ポイントとなっています。
2.経済指標等
6月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数は25.0と前月から上昇し市場予想も上回りました。6月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値も99.3と前月から上昇し市場予想を上回っています。一方で5月の米鉱工業生産指数は前月比0.1%低下し市場予想も下回りました。設備稼働率は0.2ポイント低下の77.9%となっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや素材、情報技術などの6業種が下げ、エネルギーは2%以上下落しました。一方で5業種が上げ、生活必需品と電気通信サービスが1%を超える上昇となりました。
4.個別銘柄動向
米中貿易摩擦激化への懸念からキャタピラー(CAT)が2%余り下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、ボーイング(BA)も1%を超える下落となりました。また、原油価格の下落を受けてシェブロン(CVX)が2%近く下げたうえ、エクソンモービル(XOM)も1%以上下落しました。一方、決算で1株損益が市場予想に反して黒字となったカナダの高級衣料品ブランドのカナダグース(GOOS)が急伸し33%余り上げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.01%低い2.92%となりました。ドル円は110円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなかで日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)