1.概況
本日の日経平均は30円安の2万2171円と小幅に反落しました。東証2部指数やマザーズ指数も下落しましたが、TOPIXとJPX日経400は上昇するなど主要指数は高安まちまちでした。昨日の米国市場で主要指数が下落したことを受け、日経平均は75円安の2万2126円で寄り付きました。ただ、日本時間の朝方にイタリアの主要政党が連立政権樹立で合意したとの報道が出て過度な悲観が後退したのか日経平均は寄り付き後に下げ幅を縮めるとまもなくプラスに転じました。ドル円が109円台まで円安に戻したことも追い風となり、日経平均は一時115円高まで上げ幅を広げました。その後は上げ幅を縮めて前場を71円高で終えた日経平均は、後場に入ると再び上げ幅を縮めて下落に転じる場面がありました。しばらく昨日の終値を挟んだ推移が続きましたが結局30円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆6512億円となりました。東証33業種は輸送用機器や石油石炭製品、鉱業などの20業種が上昇しました。一方でその他製品や電気・ガス業など13業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)は4%安と大きく下げました。その他にもソフトバンクグループ(9984)、武田薬品(4502)、東京エレクトロン(8035)、資生堂(4911)が下落しました。一方でトヨタ自動車(7203)が3%近く上げたほか、三菱UFJ(8306)、東海カーボン(5301)、三井住友(8316)が上昇しました。材料が出たところでは、オリンパス(7733)が4%の大幅高になりました。米国で「モノ言う株主」として知られる運用会社が大株主に浮上したことが材料となりました。また、家計簿アプリなどを手がけるマネーフォワード(3994)が10%超の大幅高となりました。グローバル・フィンテック分野に投資するファンドに戦略パートナーとして参画すると発表したことが刺激となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は小幅に下げた一方でTOPIXは上昇と高安まちまちでした。本日の21時30分に米雇用統計が発表されます。市場予想では非農業部門雇用者数が前月比19万人増、平均時給は前年比2.6%の上昇とそれぞれ堅調な結果が予想されています。イタリア政局問題などを受けやや低下した米長期金利が雇用統計の発表を受けどのように反応するかなどが注目されそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)