NYダウ: 24811.76  ▼75.05 (5/24)
NASDAQ: 7424.43  ▼1.53 (5/24)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場はトランプ米大統領が米朝首脳会談を中止すると表明したことで北朝鮮情勢の緊迫化を警戒した売りが出て反落となりました。小幅に下げて始まったダウ平均は米朝首脳会談の中止が伝わると大きく下げ幅を広げ一時280ドル安まで売られましたが、トランプ大統領が米朝首脳会談を後日に開く可能性に言及したこともあって持ち直す展開となりました。結局ダウ平均は75ドル安の24,811ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も1ポイント安の7,424ポイントとなりました。

2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万1000件増の23万4000件と改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。また、4月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比2.5%減の546万戸となり市場予想も下回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや金融、素材などの7業種が下げ、エネルギーは1%を超える下落となりました。一方で公益事業や資本財・サービスなどの4業種が上げています。

4.個別銘柄動向
再度減配を行うことはないと一部のメディアが伝えたことでゼネラル・エレクトリック(GE)が3%近く上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、トランプ米政権が乗用車の関税を2.5%から最大25%に上げることを検討していると伝わったことでゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーター(F)が堅調でともに1%を超える上昇となっています。一方で有力産油国が減産幅を縮小する方向で調整しているとの観測が出てエクソンモービル(XOM)やシェブロン(CVX)が下げ、エクソンモービルがダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、シェブロンも2%近く下げました。さらに家電量販店大手のベストバイ(BBY)が6%以上下落しました。2-4月期決算は市場予想を上回ったものの、5-7月期の見通しが物足りないとして売られました。

5.為替・金利等
長期金利はトランプ米大統領が米朝首脳会談を中止すると表明したことで安全資産とされる米国債が買われ0.02%低い2.97%となりました。ドル円は109円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は北朝鮮情勢の緊迫化を警戒した売りで下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は100日移動平均線(昨日時点で22,322円)がサポートとなるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)