1.概況
本日の日経平均は261円高の2万2758円と続伸しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数も上昇しましたが新興市場のマザーズ指数は小幅に下落しました。昨日の米国市場で主要指数が上昇したことを受け、日経平均は76円高の2万2573円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に上げ幅を200円超まで広げると一時は2万2700円台をつける場面がありました。前場を202円高で終えた日経平均は、後場に入っても一段高となりその後も高値圏で推移すると14時50分に271円高と1日の高値をつけました。その後高値からはやや上げ幅を縮めたものの日経平均は結局261円高と続伸して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆9302億円となりました。東証33業種は精密機器やパルプ・紙、機械、電気機器など29業種が上昇しました。一方で鉱業、石油石炭製品、ゴム製品、繊維製品の4業種が下げています。

2.個別銘柄動向等
東証1部の売買代金上位銘柄は、売買代金トップのトヨタ自動車(7203)は連日大幅高となっていたことから利益確定売りに押されて0.7%安となりましたが、その他は総じて上昇しました。任天堂(7974)が1.3%高となったほか、マネックスグループ(8698)、武田薬品(4502)、ソフトバンクグループ(9984)、三菱UFJ(8306)、スズキ(7269)、東京エレクトロン(8035)、KDDI(9433)、ソニー(6758)がいずれも上昇しました。中でもスズキは前期決算が従来の会社予想を大幅に上振れて着地したことが好感され9%近い大幅高となりました。同じく業績が好調だったKDDIも3.3%高としっかりでした。その他材料が出たところでは、パナソニック(6752)が4.9%の大幅高となりました。前期が大幅な増収増益で着地したことに加え、今期の業績予想も増収増益と堅調だったことが好感されました。一方でマザーズ市場に上場するそーせいグループ(4565)が6.4%安と大きく下落しました。前期の売上高が前前期の半分以下におちこんだほか、23億円近い営業赤字となったことが嫌気されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は輸出関連株の好決算などを好感し大幅に続伸しました。本日は計800社以上が決算発表を行うなど発表はピークをむかえました。一時ドル円が105円を割り込む水準まで円高が進行し2018年度の企業決算への懸念が高まりましたが、これまでのところ懸念されたほどの事態にはなっておらず過度な悲観が後退して徐々に株価が切り上がってきた印象です。足元の日経平均の予想PERは13倍台と割高感は出ていません。来週以降も買い優勢となり2万3000円台の節目を回復できるか注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)